このページでは、ビーノ [1997/08モデル]が搭載しているCVTの変速比(プーリー比)と駆動力、エンジン回転数と最高速(トップスピード)との関係をシミュレーションしています。
変速比(プーリー比)と加速と最高速のステキな関係
ヤマハ [ビーノ] 5AU型 49cc [6.3PS/0.67kgm] | ||||
純正ギヤの繋がりイメージ | ||||
ギヤ | 変速比 | Shift-up 回転数 | 100kmh 回転数 | 7000rpm での速度 [速度差] |
---|---|---|---|---|
1速 | 2.183 [26.032] | - | 34700 | 20.2 [ - ] |
2速 | 0.896 [10.685] | 2870 | 14240 | 49.1 [+28.9] |
Fin | 11.925 | タイヤ外径398mm レシオカバレッジ2.436 |
さて、5AU型ビーノの変速機にはレシオカバレッジ2.436という、超が付くほどのクロスレシオで加速性能とギヤの繋がりを最重要視したようなCVTが採用されています。
これを速度の面から見てみると、CVTの変速比のLow側(2.183)の最高速20.2km/hから、Hi側(0.896)の最高速49.1km/hまでの速度を、エンジン出力と走行負荷に応じて変速比を無段階かつ連続的に変化させながら速度を上乗せしていく格好になります。
一覧表の変速比欄の下にある[]で囲まれた数値は、それぞれの変速比と一次減速比3.692および二次減速比3.230を掛けた総減速比を表記しています。
また「Shift-up回転数」は、たとえば1速ギヤで7000rpmまで回して2速ギヤにシフトアップした際に、1速ギヤと2速ギヤのステップ比(0.410)から考えると7000rpmから2870rpmまで落ちますよ、というものです。
ステップ比が大きくてシフトアップ後に回転が落ちすぎてしまい、パワーバンドを大きく外すような場合には、7000rpmより上まで回したほうが加速の雰囲気が良くなるでしょうし、逆の場合は早め早めのシフトアップが結果的に功を奏す、かもしれません。
最高出力が発生する7000rpmにおいて、High側の変速比0.896での速度は49.1km/h、時速100kmでの回転数は14240rpmになります。
また、最高出力が発生する回転数よりも時速100kmが出せる回転数のほうが高いので、残念ながら時速100kmへの到達は厳しい、もしくは出せてもエンジンが唸りを上げているものと思われます。
●50cc以下の100km/h回転数が低いバイク ランキング
巡航時の回転数を比較的簡単に下げる方法としては、タイヤの外径を大きくする(ファイナルギヤを高くするのと同じ効果)ことで劇的に!とはいきませんが、多少は下げることが可能です。
レブリミットと最高速|7000rpm以降の速度
6500 rpm | 7000 rpm | 7700 rpm | 8400 rpm | 9100 rpm | |
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1速 | 18.7 | 20.2 | 22.2 | 24.2 | 26.2 |
2速 | 45.6 | 49.1 | 54.1 | 59.0 | 63.9 |
PS | 8.5 | 9.15 | 10.1 | 11.0 | 11.9 |
最高速度に大きく関係するのは最高出力ですが、変速比とタイヤ径、そしてエンジン回転数を抜きにして語ることはできません。
エンジンのレブリミット(何回転まで回るのか)については、エンジンの仕様や制御方法によりけりで多種多様すぎますので、ここでは単純に最高出力が発生する7000rpmを基準として、1割増の7700rpm、2割増の8400rpm、3割増の9100rpmまで回ったとしたら、このくらいの速度になりますよ、という一覧表を作ってみました。(6500rpmは最大トルク発生回転数)
※エンジンのレブリミットは最高出力が発生する7000rpmより若干高い回転数に設定されますが、エンジンの出力は7000rpmをピークとして以降は低下する一方ですので、7000rpm以降も加速できるかどうかは未知数です。実際の最高速は走行抵抗と出力が釣り合った時点の速度になります。
オレンジ色に着色してある欄には、それぞれの回転数での平均ピストン速度を記してあります。この速度はエンジンの回転数上限を左右する要素のひとつとされ、7000rpmでの9.15m/sから回転数が増すごとに速くなり、9100rpmでは11.9m/sになります。
巡航時によくある速度での回転数
ギヤ | 30kmh | 45kmh | 60kmh | 80kmh | 100kmh |
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1速 | 10410 | 15620 | 20820 | 27760 | 34700 |
2速 | 4270 | 6410 | 8550 | 11390 | 14240 |
ここでは1速から2速までのそれぞれのギヤごとに、それぞれの速度でどのくらいエンジンが回っているのかを調べてみます。
2速ギヤの場合、制限速度の30km/hでは4270rpm、速度リミッターのかかる60km/hでは8550rpm、サーキットなど場所は限定されますが、エンジン出力と回転数、変速比が許せば狙える、かもしれない80km/hでは11390rpmまで回ります。
6500rpmと7000rpmの駆動力とトルクウェイトレシオ
最大トルク0.67kgm|車両重量70kg | |||
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ギヤ | 6500rpm 駆動力とTWR | 7000rpm 駆動力とTWR | 差分 |
1速 | 87.6kgm [0.80kg/kgm] | 83.7kgm [0.84kg/kgm] | -3.9 [+0.04] |
2速 | 36.0kgm [1.94kg/kgm] | 34.4kgm [2.03kg/kgm] | -1.6 [+0.09] |
PWR | 11.48kg/PS | 11.111kg/PS | -0.37 |
エンジンから発生する最大トルク0.67kgmは、ギヤを介して減速する(回転数を落とす)ことで、まるで倍々ゲームのごとく増大して最終的には元の何十倍、何百倍にもなります。
たとえば1速ギヤの場合、エンジンの軸トルク0.67kgmが1速ギヤを介して2.183倍に、さらに一次減速比と二次減速比で11.925倍に、そしてこれをタイヤの半径で割ると最終的な駆動力は87.6kgmになるという寸法です。
このエンジンは7000rpmで6.3PSを発生しますから、その時点での軸トルクは0.64kgm、同じ要領で計算すると最終的には83.7kgmになります。
基本的にはこの数値が大きいほど地面を蹴って進もうとする力が強く、6500rpmと7000rpmとの落差が小さいほど高回転域でのトルクの低下が少ない、つまり加速感が持続すると言えるかもしれません。
[]内の数値は、最大トルク発生時(0.67kgm/6500rpm)での各ギヤの駆動力を、車両重量の70kgで割ったトルクウェイトレシオで、最小は1速ギヤの0.80kg/kgmとなっています。
この0.80kg/kgmという数値はバイクの中では平均的なスペックですが、その気になれば思わず息を呑むほどの痛快なスタートダッシュを決めることができそうです。
ちなみに、自動車のサイトで集計した1速ギヤTWRの平均が1.60kg/kgmでしたので、(少なくとも1速ギヤが吹け切るまでは)並大抵の自動車では太刀打ちできないものと思われます。
5AU型ビーノ 1997/08モデルの各種スペック詳細ページ | |||
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主要諸元 主要諸元と年間の維持費、燃費と航続距離 | エンジン エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ | タイヤ タイヤサイズ変更と加速力&最高速の変化 | 通知表 さまざまな性能評価の数値と偏差値&順位 |
【ギヤ比編】同車名または同型式の車種一覧 | |||
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ビーノ AY02型 (2018/05) | 4.5PS 0.42kgm 58.4km/L 16.9万円 | AF74E 単気筒 49cc [CVT] | |
ビーノ SA54J型 (2015/10) | 4.5PS 0.43kgm 56.5km/L 16.9万円 | A329E 単気筒 49cc [CVT] | |
ビーノ SA37J型 (2007/11) | 4.2PS 0.40kgm 66.0km/L 16.9万円 | A313E 単気筒 49cc [CVT] | |
ビーノ SA26J型 (2004/03) | 5.2PS 0.47kgm 70.0km/L 16.9万円 | A304E 単気筒 49cc [CVT] | |
ビーノ SA10J型 (2003/08) | 6.3PS 0.67kgm 61.0km/L 16.9万円 | A113E 単気筒 49cc [CVT] | |
ビーノ [Delux] SA59J型 (2017/08) | 4.3PS 0.42kgm 55.5km/L 16.9万円 | A332E 単気筒 49cc [CVT] |