このページでは、ビーノ モルフェ [2009/04モデル]が搭載しているCVTの変速比(プーリー比)と駆動力、エンジン回転数と最高速(トップスピード)との関係をシミュレーションしています。
変速比(プーリー比)と加速と最高速のステキな関係
ヤマハ [ビーノ モルフェ] SA37J型 49cc [4.5PS/0.40kgm] | ||||
純正ギヤの繋がりイメージ | ||||
ギヤ | 変速比 | Shift-up 回転数 | 100kmh 回転数 | 8500rpm での速度 [速度差] |
---|---|---|---|---|
1速 | 2.731 [36.126] | - | 46070 | 18.4 [ - ] |
2速 | 0.844 [11.164] | 2630 | 14240 | 59.7 [+41.3] |
Fin | 13.228 | タイヤ外径416mm レシオカバレッジ3.236 |
さて、SA37J型ビーノ モルフェの変速機にはレシオカバレッジ3.236という、ややロングレシオ気味で燃費と最高速と巡航回転数の低さを重視したCVTが採用されています。
これを速度の面から見てみると、CVTの変速比のLow側(2.731)の最高速18.4km/hから、Hi側(0.844)の最高速59.7km/hまでの速度を、エンジン出力と走行負荷に応じて変速比を無段階かつ連続的に変化させながら速度を上乗せしていく格好になります。
一覧表の変速比欄の下にある[]で囲まれた数値は、それぞれの変速比と一次減速比3.692および二次減速比3.583を掛けた総減速比を表記しています。
また「Shift-up回転数」は、たとえば1速ギヤで8500rpmまで回して2速ギヤにシフトアップした際に、1速ギヤと2速ギヤのステップ比(0.309)から考えると8500rpmから2630rpmまで落ちますよ、というものです。
ステップ比が大きくてシフトアップ後に回転が落ちすぎてしまい、パワーバンドを大きく外すような場合には、8500rpmより上まで回したほうが加速の雰囲気が良くなるでしょうし、逆の場合は早め早めのシフトアップが結果的に功を奏す、かもしれません。
最高出力が発生する8500rpmにおいて、High側の変速比0.844での速度は59.7km/h、時速100kmでの回転数は14240rpmになります。
また、最高出力が発生する回転数よりも時速100kmが出せる回転数のほうが高いので、残念ながら時速100kmへの到達は厳しい、もしくは出せてもエンジンが唸りを上げているものと思われます。
●50cc以下の100km/h回転数が低いバイク ランキング
巡航時の回転数を比較的簡単に下げる方法としては、タイヤの外径を大きくする(ファイナルギヤを高くするのと同じ効果)ことで劇的に!とはいきませんが、多少は下げることが可能です。
レブリミットと最高速|8500rpm以降の速度
6500 rpm | 8500 rpm | 9400 rpm | 10200 rpm | 11100 rpm | |
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1速 | 14.1 | 18.4 | 20.4 | 22.1 | 24.1 |
2速 | 45.7 | 59.7 | 66.0 | 71.6 | 78.0 |
PS | 9.4 | 12.32 | 13.6 | 14.8 | 16.1 |
最高速度に大きく関係するのは最高出力ですが、変速比とタイヤ径、そしてエンジン回転数を抜きにして語ることはできません。
エンジンのレブリミット(何回転まで回るのか)については、エンジンの仕様や制御方法によりけりで多種多様すぎますので、ここでは単純に最高出力が発生する8500rpmを基準として、1割増の9400rpm、2割増の10200rpm、3割増の11100rpmまで回ったとしたら、このくらいの速度になりますよ、という一覧表を作ってみました。(6500rpmは最大トルク発生回転数)
※エンジンのレブリミットは最高出力が発生する8500rpmより若干高い回転数に設定されますが、エンジンの出力は8500rpmをピークとして以降は低下する一方ですので、8500rpm以降も加速できるかどうかは未知数です。実際の最高速は走行抵抗と出力が釣り合った時点の速度になります。
オレンジ色に着色してある欄には、それぞれの回転数での平均ピストン速度を記してあります。この速度はエンジンの回転数上限を左右する要素のひとつとされ、8500rpmでの12.32m/sから回転数が増すごとに速くなり、11100rpmでは16.1m/sになります。
巡航時によくある速度での回転数
ギヤ | 30kmh | 45kmh | 60kmh | 80kmh | 100kmh |
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1速 | 13820 | 20730 | 27640 | 36860 | 46070 |
2速 | 4270 | 6410 | 8540 | 11390 | 14240 |
ここでは1速から2速までのそれぞれのギヤごとに、それぞれの速度でどのくらいエンジンが回っているのかを調べてみます。
2速ギヤの場合、制限速度の30km/hでは4270rpm、速度リミッターのかかる60km/hでは8540rpm、サーキットなど場所は限定されますが、エンジン出力と回転数、変速比が許せば狙える、かもしれない80km/hでは11390rpmまで回ります。
6500rpmと8500rpmの駆動力とトルクウェイトレシオ
最大トルク0.40kgm|車両重量84kg | |||
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ギヤ | 6500rpm 駆動力とTWR | 8500rpm 駆動力とTWR | 差分 |
1速 | 69.5kgm [1.21kg/kgm] | 66.0kgm [1.27kg/kgm] | -3.5 [+0.06] |
2速 | 21.5kgm [3.91kg/kgm] | 20.4kgm [4.12kg/kgm] | -1.1 [+0.21] |
PWR | 23.33kg/PS | 18.667kg/PS | -4.66 |
エンジンから発生する最大トルク0.40kgmは、ギヤを介して減速する(回転数を落とす)ことで、まるで倍々ゲームのごとく増大して最終的には元の何十倍、何百倍にもなります。
たとえば1速ギヤの場合、エンジンの軸トルク0.40kgmが1速ギヤを介して2.731倍に、さらに一次減速比と二次減速比で13.228倍に、そしてこれをタイヤの半径で割ると最終的な駆動力は69.5kgmになるという寸法です。
このエンジンは8500rpmで4.5PSを発生しますから、その時点での軸トルクは0.38kgm、同じ要領で計算すると最終的には66.0kgmになります。
基本的にはこの数値が大きいほど地面を蹴って進もうとする力が強く、6500rpmと8500rpmとの落差が小さいほど高回転域でのトルクの低下が少ない、つまり加速感が持続すると言えるかもしれません。
[]内の数値は、最大トルク発生時(0.40kgm/6500rpm)での各ギヤの駆動力を、車両重量の84kgで割ったトルクウェイトレシオで、最小は1速ギヤの1.21kg/kgmとなっています。
この1.21kg/kgmという数値は決して速い部類ではありませんが、いつ何時でも身の危険を感じずに済む穏やかな性格はライダーに安心と信頼を、そして安全運転の実績を授けてくれます。
ちなみに、自動車のサイトで集計した1速ギヤTWRの平均が1.60kg/kgmでしたので、巷に良くある一般的な自動車と同等か、やや上回るゼロスタート性能を持っていると言えそうです。
SA37J型ビーノ モルフェ 2009/04モデルの各種スペック詳細ページ | |||
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主要諸元 主要諸元と年間の維持費、燃費と航続距離 | エンジン エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ | タイヤ タイヤサイズ変更と加速力&最高速の変化 | 通知表 さまざまな性能評価の数値と偏差値&順位 |
【ギヤ比編】同車名または同型式の車種一覧 | |||
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ビーノ モルフェ SA54J型 (2015/10) | 4.5PS 0.43kgm 56.5km/L 19.9万円 | A329E 単気筒 49cc [CVT] | |
ビーノ SA37J型 (2007/11) | 4.2PS 0.40kgm 66.0km/L 19.9万円 | A313E 単気筒 49cc [CVT] | |
ビーノ モルフェ SA59J型 (2017/08) | 4.3PS 0.42kgm 55.5km/L 19.9万円 | A332E 単気筒 49cc [CVT] |