TMAX530 SX | CVTの変速比と加速・最高速 [159km/h SJ15J型 2017年]

このページでは、TMAX530 [SX 2017/04]が搭載しているCVTの変速比(プーリー比)と駆動力、エンジン回転数と最高速(トップスピード)との関係をシミュレーションしています。

変速比(プーリー比)と加速と最高速のステキな関係

ヤマハ [TMAX530]
SJ15J型 530cc [46PS/5.4kgm]
純正ギヤの繋がりイメージ
ギヤ変速比Shift-up
回転数
100kmh
回転数
6750rpm
での速度
[速度差]
1速2.041
[12.315]
-1140059.2
[ - ]
2速0.758
[4.574]
25004230159.4
[+100.2]
Fin6.034タイヤ外径573mm
レシオカバレッジ2.693

さて、SJ15J型TMAX530の変速機にはレシオカバレッジ2.693という、ややクロスレシオ気味で最高速よりも加速の良さを重視したCVTが採用されています。

これを速度の面から見てみると、CVTの変速比のLow側(2.041)の最高速59.2km/hから、Hi側(0.758)の最高速159.4km/hまでの速度を、エンジン出力と走行負荷に応じて変速比を無段階かつ連続的に変化させながら速度を上乗せしていく格好になります。

一覧表の変速比欄の下にある[]で囲まれた数値は、それぞれの変速比と一次減速比1.000および二次減速比6.034を掛けた総減速比を表記しています。

また「Shift-up回転数」は、たとえば1速ギヤで6750rpmまで回して2速ギヤにシフトアップした際に、1速ギヤと2速ギヤのステップ比(0.371)から考えると6750rpmから2500rpmまで落ちますよ、というものです。

ステップ比が大きくてシフトアップ後に回転が落ちすぎてしまい、パワーバンドを大きく外すような場合には、6750rpmより上まで回したほうが加速の雰囲気が良くなるでしょうし、逆の場合は早め早めのシフトアップが結果的に功を奏す、かもしれません。

最高出力が発生する6750rpmにおいて、High側の変速比0.758での速度は159.4km/h、時速100kmでの回転数は4230rpmになります。

159.4km/hという速度はその気になれば免許証が何枚あっても、命がいくつあっても足りないくらいの速度ですので、バイクとしては高速道路を走るのに不足はなくとも、人間のほうにリミッターをかけるタフな精神力が必要になりそうです。

また、最高出力が発生する回転数の半分を少し上回るくらいの回転数で時速100kmが出るので、高速道路では「もう1段上のギヤがあったらなあ…」と思うことがあるかもしれません。

750cc以下の100km/h回転数が低いバイク ランキング

巡航時の回転数を比較的簡単に下げる方法としては、タイヤの外径を大きくする(ファイナルギヤを高くするのと同じ効果)ことで劇的に!とはいきませんが、多少は下げることが可能です。


レブリミットと最高速|6750rpm以降の速度


5250
rpm
6750
rpm
7400
rpm
8100
rpm
8800
rpm
1速46.059.264.971.077.2
2速124.0159.4174.7191.3207.8
PS12.816.4318.019.721.4

最高速度に大きく関係するのは最高出力ですが、変速比とタイヤ径、そしてエンジン回転数を抜きにして語ることはできません。

エンジンのレブリミット(何回転まで回るのか)については、エンジンの仕様や制御方法によりけりで多種多様すぎますので、ここでは単純に最高出力が発生する6750rpmを基準として、1割増の7400rpm、2割増の8100rpm、3割増の8800rpmまで回ったとしたら、このくらいの速度になりますよ、という一覧表を作ってみました。(5250rpmは最大トルク発生回転数)

※エンジンのレブリミットは最高出力が発生する6750rpmより若干高い回転数に設定されますが、エンジンの出力は6750rpmをピークとして以降は低下する一方ですので、6750rpm以降も加速できるかどうかは未知数です。実際の最高速は走行抵抗と出力が釣り合った時点の速度になります。

オレンジ色に着色してある欄には、それぞれの回転数での平均ピストン速度を記してあります。この速度はエンジンの回転数上限を左右する要素のひとつとされ、6750rpmでの16.43m/sから回転数が増すごとに速くなり、8800rpmでは21.4m/sになります。


巡航時によくある速度での回転数

ギヤ40kmh60kmh80kmh100kmh120kmh
1速4560684091201140013680
2速16902540339042305080

ここでは1速から2速までのそれぞれのギヤごとに、それぞれの速度でどのくらいエンジンが回っているのかを調べてみます。

2速ギヤの場合、40km/hでは1690rpm、60km/hでは2540rpm、高速道路によくある80km/hでは3390rpm、100km/hでは4230rpm、制限速度が120km/hになると5080rpmまで回す必要が生じます。

ちなみに、エンジン出力と回転数、変速比が深く関係するので到達できる車種は限られますが、スピードリミッターが働く180km/hでは7620rpm、さらに車種は限られますが300km/hでは12700rpmまで回ります。


5250rpmと6750rpmの駆動力とトルクウェイトレシオ

最大トルク5.4kgm|車両重量215kg
ギヤ5250rpm
駆動力とTWR
6750rpm
駆動力とTWR
差分
1速232.1kgm
[0.93kg/kgm]
210.6kgm
[1.02kg/kgm]
-21.5
[+0.09]
2速86.2kgm
[2.49kg/kgm]
78.2kgm
[2.75kg/kgm]
-8.0
[+0.26]
PWR5.43kg/PS4.674kg/PS-0.76

エンジンから発生する最大トルク5.4kgmは、ギヤを介して減速する(回転数を落とす)ことで、まるで倍々ゲームのごとく増大して最終的には元の何十倍、何百倍にもなります。

たとえば1速ギヤの場合、エンジンの軸トルク5.4kgmが1速ギヤを介して2.041倍に、さらに一次減速比と二次減速比で6.034倍に、そしてこれをタイヤの半径で割ると最終的な駆動力は232.1kgmになるという寸法です。

このエンジンは6750rpmで46PSを発生しますから、その時点での軸トルクは4.9kgm、同じ要領で計算すると最終的には210.6kgmになります。

基本的にはこの数値が大きいほど地面を蹴って進もうとする力が強く、5250rpmと6750rpmとの落差が小さいほど高回転域でのトルクの低下が少ない、つまり加速感が持続すると言えるかもしれません。

[]内の数値は、最大トルク発生時(5.4kgm/5250rpm)での各ギヤの駆動力を、車両重量の215kgで割ったトルクウェイトレシオで、最小は1速ギヤの0.93kg/kgmとなっています。

この0.93kg/kgmという数値はシグナルスタートで負けるほうが珍しいほどの加速性能に愛着は深まり、きっと「このバイクに乗っていて良かった!」と思わせてくれることでしょう。

ちなみに、自動車のサイトで集計した1速ギヤTWRの平均が1.60kg/kgmでしたので、(少なくとも1速ギヤが吹け切るまでは)並大抵の自動車では太刀打ちできないものと思われます。


SJ15J型TMAX530 SX 2017/04モデルの各種スペック詳細ページ

主要諸元
主要諸元と年間の維持費、燃費と航続距離

エンジン
エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ

タイヤ
タイヤサイズ変更と加速力&最高速の変化

通知表
さまざまな性能評価の数値と偏差値&順位
【ギヤ比編】同車名または同型式の車種一覧
TMAX530
SJ12J型
(2013/06)
48PS
5.4kgm
21.7km/L
124.2万円