SR400 | H313E型399cc単気筒エンジンの性能とPWR [27PS/3.0kgm 2008年]

このページでは、SR400 [2008/02モデル]が搭載しているH313E型の単気筒399ccエンジンの諸元と出力、体重とパワーウェイトレシオの関係をシミュレーションしています。

H313E型エンジンの各種諸元と性能曲線図

ヤマハ [SR400]
RH01J型 399cc [27PS/3.0kgm]
H313E型エンジンの簡易性能曲線図
H313E型エンジンの簡易性能曲線図
エンジン種類
排気量
単気筒
399cc
最高出力27PS
6500rpm馬力27.2PS
最大トルク3.0kgm
7000rpmトルク2.8kgm
リッター換算馬力67.58PS/L
リッター換算トルク7.51kgm/L
平均ピストン速度15.68m/s
Bore/Stroke比0.772
400cc以下の1L換算馬力ランキング
400cc以下の1L換算トルクランキング

ここからはH313E型エンジンの諸元から見えてくる出力特性を調べてみます。

上の図は最高出力が発生する回転数でのトルクと最大トルク、最大トルクが発生する回転数での馬力と最高出力とを線で繋いで折れ線グラフにしただけの簡易的なエンジン性能曲線図です。

これでは中間域の具合や7000rpm以降の馬力、トルクの落ち込み加減を知ることはできませんが、6500rpmでの最大トルク発生後、回転が高まるにつれてトルクが極端に落ちるのか、それともなだらかに下降するのかを知るくらいには使えるかもしれません。

エンジンのパワーバンドを最大トルクの6500rpmから最高出力の7000rpmまでの500rpm(比率では7.1%)とすると、気難しさが玉に瑕なれど、高回転域でのキレに全てを賭けた男気溢れる潔さが自慢です。

パワーの出方としては、最大トルク3.0kgmを生じる6500rpmでは、最高出力の100.7%となる27.2PSを、最高出力27PSを生じる7000rpmでは、最大トルクの93.3%となる2.8kgmの出力を得られます。

排気量1リットルあたりの出力は馬力が27PS/0.399Lで67.58PS/L、トルクが3.0kgm/0.399Lで7.51kgm/Lとなっています。これは二輪車に搭載されるエンジンの出力としてはやや心もとない部類ですが、その反面で日常ユースで扱いやすさが光るエンジンだと言えそうです。

最高出力が高い 単気筒エンジンのバイク
排気量に関係なく、単気筒エンジン搭載のバイクを、最高出力(馬力)が大きいものから順番に並べたランキングです。
最高出力が高い 400ccクラスのバイク
排気量が251cc-400ccの範囲にあるバイクを、最高出力(馬力)が大きいものから順番に並べたランキングです。
最高回転数が高い 400ccクラスのバイク
排気量が251cc-400ccの範囲にあるバイクを、最高回転数(最高出力が発生する回転数)が高いものから順番に並べたランキングです。

ストローク長が67.2mmであるH313E型エンジンの場合、平均ピストンスピードは7000rpmのとき15.68m/sで、これは二輪車のエンジンとしては一般的な速度の部類です。また上限を20.0m/sとしたときの最高回転数は8930rpmになります。

400cc以下の平均ピストンスピード ランキング

H313E型エンジンのボアは87.0mmですので、エンジンの特性を大まかに決定づけるボアストローク比は0.772のショートストローク型(ストローク量がボア径より小さい)となり、排気量と気筒数が同一のロングストローク型に比べて、高回転域のキレが持ち味であるとされます。


ボアアップによる排気量増と圧縮比

ボア排気量圧縮比B/S比
87.0mm399.5cc
-
8.50.772
87.5mm404.1cc
[+4.6cc]
8.60.768
88.0mm408.7cc
[+9.2cc]
8.70.764
88.5mm413.4cc
[+13.9cc]
8.80.759
89.0mm418.0cc
[+18.5cc]
8.80.755
89.5mm422.8cc
[+23.3cc]
8.90.751
90.0mm427.5cc
[+28.0cc]
9.00.747

エンジンの排気量はボアとストローク、気筒数によって決まり、圧縮比は排気量と燃焼室容積によって決まります。

ここでは実際に可能かどうかは別として、純正ピストンの87.0mmから+0.5mm刻みで+3.0mmまでのオーバーサイズピストンを組むと、排気量がノーマルの399.5ccからどのように変化するかを調べてみました。

これを見るに、ピストン径が0.5mm大きくなると排気量が約4.6ccずつ大きくなり、+3.0mmの90.0mmまでボアアップすると427.5ccまで拡大(ノーマル比+7.0%)されます。

続いて燃焼室容積が53.3ccのまま変化しないと仮定したとき、ピストン径が+0.5mm大きくなるごとに圧縮比が8.5から約0.08ずつ高まっていき、同時にノッキングのリスクも高まっていきます。

400cc以下の圧縮比が高いバイク ランキング

ストローク長が67.2mmのままボアを広げていくと、ボアストローク比(B/S比)は0.772から次第に小さくなっていき、元よりショートストローク型だった特性がさらに強まって、高回転スペシャルの様相を呈してきます。

※ナンバー付き車両でボアアップおよびストロークアップにより排気量を増大させた場合は、改造申請をして認可を受ける必要があります。また、せっかく排気量を増大させても、対応する免許を未取得であれば公道で乗ることができなくなりますのでご注意ください。


体重とパワーウェイトレシオのアヤシイ関係

PWR 6.222kg/PS | 496位/全916件
体重PWR増加
体重40kg7.704kg/PS+1.482kg
体重45kg7.889kg/PS+1.667kg
体重50kg8.074kg/PS+1.852kg
体重55kg8.259kg/PS+2.037kg
体重60kg8.444kg/PS+2.222kg
体重65kg8.630kg/PS+2.408kg
体重70kg8.815kg/PS+2.593kg
体重75kg9.000kg/PS+2.778kg
体重80kg9.185kg/PS+2.963kg
体重90kg9.556kg/PS+3.334kg
体重100kg9.926kg/PS+3.704kg
400cc以下のパワーウェイトレシオ

さて、自動車と同じくバイクにおいてもパワーウェイトレシオは速さの指標としてよく使われています。

自動車ではもともとの車重が重いので、人間が1人2人乗ったところで目が飛び出るほどには変わりませんが、自動車に比べて車重が軽く、最高出力も小さめなバイクとなると話は別です。

最高出力が27PSで車両重量が168kgであるSR400の場合、バイク単体では6.222kg/PSですが、たとえば車両総重量を決める際の基準である体重55kgの人が乗ると8.259kg/PS(+2.037kg)に、100kgの人では9.926kg/PS(+3.704kg)にまで悪化してしまいます。

同好の士と仲睦まじくサーキット走行しているとき、前に出てやろうと愛馬にムチを入れても埒が明かない。こんなときは「同じバイクのはずなのにどうも遅い…壊れてるんじゃあ…」などとバイクのせいにしたくなりますが、ちょっとお腹周りを眺めて見るとその答えが見つかりそうです。

PWRの優劣が速さの絶対的な指標ではありませんが、自動車のサイトで調べたパワーウェイトレシオの平均が9.52kg/PSでしたので、体重55kgの人が乗車した場合であっても自動車の平均を下回ります。街中で良く目にする平均的な自動車が相手であれば、十分に勝負が成立しそうです。


RH01J型SR400 2008/02モデルの各種スペック詳細ページ

主要諸元
主要諸元と年間の維持費、燃費と航続距離

ギヤ比
ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速

タイヤ
タイヤサイズ変更と加速力&最高速の変化

通知表
さまざまな性能評価の数値と偏差値&順位
【エンジン編】同車名または同型式の車種一覧
SR400
RH16J型
(2018/11)
24PS
2.9kgm
29.7km/L
48.6万円
SR400
RH03J型
(2016/02)
26PS
2.9kgm
41.0km/L
48.6万円
SR400
1JR型
(1999/03)
27PS
3.0kgm
47.0km/L
48.6万円