MT-09 | N718E型888cc直列3気筒エンジンの性能とPWR [120PS/9.5kgm 2021年]

このページでは、MT-09 [2021/06モデル]が搭載しているN718E型の直列3気筒888ccエンジンの諸元と出力、体重とパワーウェイトレシオの関係をシミュレーションしています。

N718E型エンジンの各種諸元と性能曲線図

ヤマハ [MT-09]
RN69J型 888cc [120PS/9.5kgm]
N718E型エンジンの簡易性能曲線図
N718E型エンジンの簡易性能曲線図
エンジン種類
排気量
直列3気筒
888cc
最高出力120PS
7000rpm馬力92.8PS
最大トルク9.5kgm
10000rpmトルク8.6kgm
リッター換算馬力135.03PS/L
リッター換算トルク10.69kgm/L
単気筒容積296.2cc
1気筒あたり馬力40.0PS
1気筒あたりトルク3.2kgm
平均ピストン速度20.67m/s
Bore/Stroke比0.795
1000cc以下の1L換算馬力ランキング
1000cc以下の1L換算トルクランキング

ここからはN718E型エンジンの諸元から見えてくる出力特性を調べてみます。

上の図は最高出力が発生する回転数でのトルクと最大トルク、最大トルクが発生する回転数での馬力と最高出力とを線で繋いで折れ線グラフにしただけの簡易的なエンジン性能曲線図です。

これでは中間域の具合や10000rpm以降の馬力、トルクの落ち込み加減を知ることはできませんが、7000rpmでの最大トルク発生後、回転が高まるにつれてトルクが極端に落ちるのか、それともなだらかに下降するのかを知るくらいには使えるかもしれません。

エンジンのパワーバンドを最大トルクの7000rpmから最高出力の10000rpmまでの3000rpm(比率では30.0%)とすると、どちらかというと広めのパワーバンドで扱いやすい傾向にありそうな雰囲気です。

パワーの出方としては、最大トルク9.5kgmを生じる7000rpmでは、最高出力の77.3%となる92.8PSを、最高出力120PSを生じる10000rpmでは、最大トルクの90.5%となる8.6kgmの出力を得られます。

排気量1リットルあたりの出力は馬力が120PS/0.888Lで135.03PS/L、トルクが9.5kgm/0.888Lで10.69kgm/Lとなっています。これは二輪車に搭載されるエンジンの出力としてはなかなか高い部類ですが、馬力一辺倒ではなく日常での使いやすさもある程度考慮されているエンジンだと言えそうです。

ちなみに、直列3気筒888ccエンジンの単気筒容積は296.2ccで、この排気量を持った各気筒それぞれが40.0PS、3.2kgmを発生させています。

最高出力が高い 直列・並列3気筒エンジンのバイク
排気量に関係なく、直列3気筒エンジン搭載のバイクを、最高出力(馬力)が大きいものから順番に並べたランキングです。
最高出力が高い 1000ccクラスのバイク
排気量が751cc-1000ccの範囲にあるバイクを、最高出力(馬力)が大きいものから順番に並べたランキングです。
最高回転数が高い 1000ccクラスのバイク
排気量が751cc-1000ccの範囲にあるバイクを、最高回転数(最高出力が発生する回転数)が高いものから順番に並べたランキングです。

ストローク長が62.0mmであるN718E型エンジンの場合、平均ピストンスピードは10000rpmのとき20.67m/sで、これは二輪車のエンジンとしてはかなり高速で上下運動している部類です。また上限を20.0m/sとしたときの最高回転数は9680rpmになります。

1000cc以下の平均ピストンスピード ランキング

N718E型エンジンのボアは78.0mmですので、エンジンの特性を大まかに決定づけるボアストローク比は0.795のショートストローク型(ストローク量がボア径より小さい)となり、排気量と気筒数が同一のロングストローク型に比べて、高回転域のキレが持ち味であるとされます。


ボアアップによる排気量増と圧縮比

ボア排気量圧縮比B/S比
78.0mm888.7cc
-
11.50.795
78.5mm900.2cc
[+11.5cc]
11.60.790
79.0mm911.7cc
[+23.0cc]
11.80.785
79.5mm923.3cc
[+34.6cc]
11.90.780
80.0mm934.9cc
[+46.2cc]
12.10.775
80.5mm946.6cc
[+57.9cc]
12.20.770
81.0mm958.4cc
[+69.7cc]
12.30.765

エンジンの排気量はボアとストローク、気筒数によって決まり、圧縮比は排気量と燃焼室容積によって決まります。

ここでは実際に可能かどうかは別として、純正ピストンの78.0mmから+0.5mm刻みで+3.0mmまでのオーバーサイズピストンを組むと、排気量がノーマルの888.7ccからどのように変化するかを調べてみました。

これを見るに、ピストン径が0.5mm大きくなると排気量が約11.5ccずつ大きくなり、+3.0mmの81.0mmまでボアアップすると958.4ccまで拡大(ノーマル比+7.8%)されます。

続いて燃焼室容積が28.2ccのまま変化しないと仮定したとき、ピストン径が+0.5mm大きくなるごとに圧縮比が11.5から約0.14ずつ高まっていき、同時にノッキングのリスクも高まっていきます。

1000cc以下の圧縮比が高いバイク ランキング

ストローク長が62.0mmのままボアを広げていくと、ボアストローク比(B/S比)は0.795から次第に小さくなっていき、元よりショートストローク型だった特性がさらに強まって、高回転スペシャルの様相を呈してきます。

※ナンバー付き車両でボアアップおよびストロークアップにより排気量を増大させた場合は、改造申請をして認可を受ける必要があります。また、せっかく排気量を増大させても、対応する免許を未取得であれば公道で乗ることができなくなりますのでご注意ください。


体重とパワーウェイトレシオのアヤシイ関係

PWR 1.575kg/PS | 47位/全916件
体重PWR増加
体重40kg1.908kg/PS+0.333kg
体重45kg1.950kg/PS+0.375kg
体重50kg1.992kg/PS+0.417kg
体重55kg2.033kg/PS+0.458kg
体重60kg2.075kg/PS+0.500kg
体重65kg2.117kg/PS+0.542kg
体重70kg2.158kg/PS+0.583kg
体重75kg2.200kg/PS+0.625kg
体重80kg2.242kg/PS+0.667kg
体重90kg2.325kg/PS+0.750kg
体重100kg2.408kg/PS+0.833kg
1000cc以下のパワーウェイトレシオ

さて、自動車と同じくバイクにおいてもパワーウェイトレシオは速さの指標としてよく使われています。

自動車ではもともとの車重が重いので、人間が1人2人乗ったところで目が飛び出るほどには変わりませんが、自動車に比べて車重が軽く、最高出力も小さめなバイクとなると話は別です。

最高出力が120PSで車両重量が189kgであるMT-09の場合、バイク単体では1.575kg/PSですが、たとえば車両総重量を決める際の基準である体重55kgの人が乗ると2.033kg/PS(+0.458kg)に、100kgの人では2.408kg/PS(+0.833kg)にまで悪化してしまいます。

同好の士と仲睦まじくサーキット走行しているとき、前に出てやろうと愛馬にムチを入れても埒が明かない。こんなときは「同じバイクのはずなのにどうも遅い…壊れてるんじゃあ…」などとバイクのせいにしたくなりますが、ちょっとお腹周りを眺めて見るとその答えが見つかりそうです。

PWRの優劣が速さの絶対的な指標ではありませんが、自動車のサイトで調べたパワーウェイトレシオの平均が9.52kg/PSでしたので、体重55kgの人が乗車した場合であっても自動車の平均を遥かに下回ります。それどころか運動性能に特化したスポーツカー、スーパーカーを相手に堂々の立ち回りができそうです。


RN69J型MT-09 2021/06モデルの各種スペック詳細ページ

主要諸元
主要諸元と年間の維持費、燃費と航続距離

ギヤ比
ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速

タイヤ
タイヤサイズ変更と加速力&最高速の変化

通知表
さまざまな性能評価の数値と偏差値&順位
【エンジン編】同車名または同型式の車種一覧
MT-09
RN52J型
(2017/02)
116PS
8.9kgm
19.7km/L
110.0万円
MT-09
RN34J型
(2016/02)
110PS
9.0kgm
19.4km/L
110.0万円