MT-01 | 1670ccV型2気筒エンジンの性能とPWR [90PS/15.3kgm 2009年]

このページでは、MT-01 [2009/01モデル]が搭載しているV型2気筒1670ccエンジンの諸元と出力、体重とパワーウェイトレシオの関係をシミュレーションしています。

エンジンの各種諸元と性能曲線図

ヤマハ [MT-01]
1670cc [90PS/15.3kgm]
簡易エンジン性能曲線図
簡易エンジン性能曲線図
エンジン種類
排気量
V型2気筒
1670cc
最高出力90PS
3750rpm馬力80.1PS
最大トルク15.3kgm
4750rpmトルク13.6kgm
リッター換算馬力53.89PS/L
リッター換算トルク9.16kgm/L
単気筒容積835.0cc
1気筒あたり馬力45.0PS
1気筒あたりトルク7.7kgm
平均ピストン速度17.89m/s
Bore/Stroke比1.165
1000cc超の1L換算馬力ランキング
1000cc超の1L換算トルクランキング

ここからはエンジンの諸元から見えてくる出力特性を調べてみます。

上の図は最高出力が発生する回転数でのトルクと最大トルク、最大トルクが発生する回転数での馬力と最高出力とを線で繋いで折れ線グラフにしただけの簡易的なエンジン性能曲線図です。

これでは中間域の具合や4750rpm以降の馬力、トルクの落ち込み加減を知ることはできませんが、3750rpmでの最大トルク発生後、回転が高まるにつれてトルクが極端に落ちるのか、それともなだらかに下降するのかを知るくらいには使えるかもしれません。

エンジンのパワーバンドを最大トルクの3750rpmから最高出力の4750rpmまでの1000rpm(比率では21.1%)とすると、二輪車のエンジンとしては標準的な広さで、低中高とバランスのよい優等生的な性質を予感させます。

パワーの出方としては、最大トルク15.3kgmを生じる3750rpmでは、最高出力の89.0%となる80.1PSを、最高出力90PSを生じる4750rpmでは、最大トルクの88.9%となる13.6kgmの出力を得られます。

排気量1リットルあたりの出力は馬力が90PS/1.67Lで53.89PS/L、トルクが15.3kgm/1.67Lで9.16kgm/Lとなっています。これは二輪車に搭載されるエンジンの出力としては下位にある部類で、勢い余って「もっとパワーを…!」と各方面に嘆願書を提出したくなるエンジンだと言えそうです。

ちなみに、V型2気筒1670ccエンジンの単気筒容積は835.0ccで、この排気量を持った各気筒それぞれが45.0PS、7.7kgmを発生させています。

最高出力が高い V型2気筒エンジンのバイク
排気量に関係なく、V型2気筒エンジン搭載のバイクを、最高出力(馬力)が大きいものから順番に並べたランキングです。
最高出力が高い unltdクラスのバイク
排気量が1000cc超の範囲にあるバイクを、最高出力(馬力)が大きいものから順番に並べたランキングです。
最高回転数が高い unltdクラスのバイク
排気量が1000cc超の範囲にあるバイクを、最高回転数(最高出力が発生する回転数)が高いものから順番に並べたランキングです。

ストローク長が113.0mmであるこのエンジンの場合、平均ピストンスピードは4750rpmのとき17.89m/sで、これは二輪車のエンジンとしては平均よりやや速い部類です。また上限を20.0m/sとしたときの最高回転数は5310rpmになります。

1000cc超の平均ピストンスピード ランキング

このエンジンのボアは97.0mmですので、エンジンの特性を大まかに決定づけるボアストローク比は1.165のロングストローク型(ストローク量がボア径より大きい)となり、排気量と気筒数が同一のショートストローク型に比べて、低回転域の粘りが光る傾向にあるとされます。


ボアアップによる排気量増と圧縮比

ボア排気量圧縮比B/S比
97.0mm1670.0cc
-
8.41.165
97.5mm1687.3cc
[+17.3cc]
8.51.159
98.0mm1704.7cc
[+34.7cc]
8.61.153
98.5mm1722.1cc
[+52.1cc]
8.61.147
99.0mm1739.6cc
[+69.6cc]
8.71.141
99.5mm1757.2cc
[+87.2cc]
8.81.136
100.0mm1774.9cc
[+104.9cc]
8.91.130

エンジンの排気量はボアとストローク、気筒数によって決まり、圧縮比は排気量と燃焼室容積によって決まります。

ここでは実際に可能かどうかは別として、純正ピストンの97.0mmから+0.5mm刻みで+3.0mmまでのオーバーサイズピストンを組むと、排気量がノーマルの1670.0ccからどのように変化するかを調べてみました。

これを見るに、ピストン径が0.5mm大きくなると排気量が約17.3ccずつ大きくなり、+3.0mmの100.0mmまでボアアップすると1774.9ccまで拡大(ノーマル比+6.3%)されます。

続いて燃焼室容積が112.8ccのまま変化しないと仮定したとき、ピストン径が+0.5mm大きくなるごとに圧縮比が8.4から約0.08ずつ高まっていき、同時にノッキングのリスクも高まっていきます。

1000cc超の圧縮比が高いバイク ランキング

ストローク長が113.0mmのままボアを広げていくと、ボアストローク比(B/S比)は1.165から次第に小さくなっていき、ロングストローク型からスクエア型、ショートストローク型へと特性が変わっていきます。

※ナンバー付き車両でボアアップおよびストロークアップにより排気量を増大させた場合は、改造申請をして認可を受ける必要があります。また、せっかく排気量を増大させても、対応する免許を未取得であれば公道で乗ることができなくなりますのでご注意ください。


体重とパワーウェイトレシオのアヤシイ関係

PWR 2.944kg/PS | 178位/全916件
体重PWR増加
体重40kg3.389kg/PS+0.445kg
体重45kg3.444kg/PS+0.500kg
体重50kg3.500kg/PS+0.556kg
体重55kg3.556kg/PS+0.612kg
体重60kg3.611kg/PS+0.667kg
体重65kg3.667kg/PS+0.723kg
体重70kg3.722kg/PS+0.778kg
体重75kg3.778kg/PS+0.834kg
体重80kg3.833kg/PS+0.889kg
体重90kg3.944kg/PS+1.000kg
体重100kg4.056kg/PS+1.112kg
1000cc超のパワーウェイトレシオ

さて、自動車と同じくバイクにおいてもパワーウェイトレシオは速さの指標としてよく使われています。

自動車ではもともとの車重が重いので、人間が1人2人乗ったところで目が飛び出るほどには変わりませんが、自動車に比べて車重が軽く、最高出力も小さめなバイクとなると話は別です。

最高出力が90PSで車両重量が265kgであるMT-01の場合、バイク単体では2.944kg/PSですが、たとえば車両総重量を決める際の基準である体重55kgの人が乗ると3.556kg/PS(+0.612kg)に、100kgの人では4.056kg/PS(+1.112kg)にまで悪化してしまいます。

同好の士と仲睦まじくサーキット走行しているとき、前に出てやろうと愛馬にムチを入れても埒が明かない。こんなときは「同じバイクのはずなのにどうも遅い…壊れてるんじゃあ…」などとバイクのせいにしたくなりますが、ちょっとお腹周りを眺めて見るとその答えが見つかりそうです。

PWRの優劣が速さの絶対的な指標ではありませんが、自動車のサイトで調べたパワーウェイトレシオの平均が9.52kg/PSでしたので、体重55kgの人が乗車した場合であっても自動車の平均を遥かに下回ります。ごく一部の限られたスポーツカーを除けば、まず負けることはなさそうです。


MT-01 2009/01モデルの各種スペック詳細ページ

主要諸元
主要諸元と年間の維持費、燃費と航続距離

ギヤ比
ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速

タイヤ
タイヤサイズ変更と加速力&最高速の変化

通知表
さまざまな性能評価の数値と偏差値&順位
【エンジン編】同車名または同型式の車種一覧
XJR1300C
-
(2015/06)
98PS
11.1kgm
-
149.1万円
ハヤブサ1300
-
(2006/01)
175PS
14.1kgm
-
149.1万円
KSR-II
KMX80B型
(2000/05)
10.0PS
0.95kgm
63.0km/L
149.1万円
KSR-I
MX050B型
(2000/05)
7.2PS
0.65kgm
71.0km/L
149.1万円
XV1900CU
-
(2017/01)
97PS
17.0kgm
-
149.1万円
XVS1300CU
-
(2016/01)
72PS
10.5kgm
-
149.1万円
YZF-R1
-
(2015/01)
200PS
11.5kgm
-
149.1万円
フェザー8
-
(2015/01)
106PS
8.4kgm
-
149.1万円
XJ6 Diversion
-
(2015/01)
78PS
6.1kgm
-
149.1万円
XJ6 Diversion-F
-
(2015/01)
78PS
6.1kgm
-
149.1万円