ドラッグスタークラシック400 | H602E型399ccV型2気筒エンジンの性能とPWR [30PS/3.2kgm 2009年]

このページでは、ドラッグスタークラシック400 [2009/11モデル]が搭載しているH602E型のV型2気筒399ccエンジンの諸元と出力、体重とパワーウェイトレシオの関係をシミュレーションしています。

H602E型エンジンの各種諸元と性能曲線図

ヤマハ [ドラッグスタークラシック400]
VH02J型 399cc [30PS/3.2kgm]
H602E型エンジンの簡易性能曲線図
H602E型エンジンの簡易性能曲線図
エンジン種類
排気量
V型2気筒
399cc
最高出力30PS
6250rpm馬力27.9PS
最大トルク3.2kgm
7500rpmトルク2.9kgm
リッター換算馬力75.09PS/L
リッター換算トルク8.01kgm/L
単気筒容積199.7cc
1気筒あたり馬力15.0PS
1気筒あたりトルク1.6kgm
平均ピストン速度13.75m/s
Bore/Stroke比0.809
400cc以下の1L換算馬力ランキング
400cc以下の1L換算トルクランキング

ここからはH602E型エンジンの諸元から見えてくる出力特性を調べてみます。

上の図は最高出力が発生する回転数でのトルクと最大トルク、最大トルクが発生する回転数での馬力と最高出力とを線で繋いで折れ線グラフにしただけの簡易的なエンジン性能曲線図です。

これでは中間域の具合や7500rpm以降の馬力、トルクの落ち込み加減を知ることはできませんが、6250rpmでの最大トルク発生後、回転が高まるにつれてトルクが極端に落ちるのか、それともなだらかに下降するのかを知るくらいには使えるかもしれません。

エンジンのパワーバンドを最大トルクの6250rpmから最高出力の7500rpmまでの1250rpm(比率では16.7%)とすると、二輪車のエンジンとしては標準的な広さで、低中高とバランスのよい優等生的な性質を予感させます。

パワーの出方としては、最大トルク3.2kgmを生じる6250rpmでは、最高出力の93.0%となる27.9PSを、最高出力30PSを生じる7500rpmでは、最大トルクの90.6%となる2.9kgmの出力を得られます。

排気量1リットルあたりの出力は馬力が30PS/0.399Lで75.09PS/L、トルクが3.2kgm/0.399Lで8.01kgm/Lとなっています。これは二輪車に搭載されるエンジンの出力としてはやや心もとない部類ですが、その反面で日常ユースで扱いやすさが光るエンジンだと言えそうです。

ちなみに、V型2気筒399ccエンジンの単気筒容積は199.7ccで、この排気量を持った各気筒それぞれが15.0PS、1.6kgmを発生させています。

最高出力が高い V型2気筒エンジンのバイク
排気量に関係なく、V型2気筒エンジン搭載のバイクを、最高出力(馬力)が大きいものから順番に並べたランキングです。
最高出力が高い 400ccクラスのバイク
排気量が251cc-400ccの範囲にあるバイクを、最高出力(馬力)が大きいものから順番に並べたランキングです。
最高回転数が高い 400ccクラスのバイク
排気量が251cc-400ccの範囲にあるバイクを、最高回転数(最高出力が発生する回転数)が高いものから順番に並べたランキングです。

ストローク長が55.0mmであるH602E型エンジンの場合、平均ピストンスピードは7500rpmのとき13.75m/sで、これは二輪車のエンジンとしては一般的な速度の部類です。また上限を20.0m/sとしたときの最高回転数は10910rpmになります。

400cc以下の平均ピストンスピード ランキング

H602E型エンジンのボアは68.0mmですので、エンジンの特性を大まかに決定づけるボアストローク比は0.809のショートストローク型(ストローク量がボア径より小さい)となり、排気量と気筒数が同一のロングストローク型に比べて、高回転域のキレが持ち味であるとされます。


ボアアップによる排気量増と圧縮比

ボア排気量圧縮比B/S比
68.0mm399.5cc
-
9.70.809
68.5mm405.4cc
[+5.9cc]
9.80.803
69.0mm411.3cc
[+11.8cc]
9.90.797
69.5mm417.3cc
[+17.8cc]
10.10.791
70.0mm423.3cc
[+23.8cc]
10.20.786
70.5mm429.4cc
[+29.9cc]
10.30.780
71.0mm435.5cc
[+36.0cc]
10.50.775

エンジンの排気量はボアとストローク、気筒数によって決まり、圧縮比は排気量と燃焼室容積によって決まります。

ここでは実際に可能かどうかは別として、純正ピストンの68.0mmから+0.5mm刻みで+3.0mmまでのオーバーサイズピストンを組むと、排気量がノーマルの399.5ccからどのように変化するかを調べてみました。

これを見るに、ピストン径が0.5mm大きくなると排気量が約5.9ccずつ大きくなり、+3.0mmの71.0mmまでボアアップすると435.5ccまで拡大(ノーマル比+9.0%)されます。

続いて燃焼室容積が23.0ccのまま変化しないと仮定したとき、ピストン径が+0.5mm大きくなるごとに圧縮比が9.7から約0.11ずつ高まっていき、同時にノッキングのリスクも高まっていきます。

400cc以下の圧縮比が高いバイク ランキング

ストローク長が55.0mmのままボアを広げていくと、ボアストローク比(B/S比)は0.809から次第に小さくなっていき、元よりショートストローク型だった特性がさらに強まって、高回転スペシャルの様相を呈してきます。

※ナンバー付き車両でボアアップおよびストロークアップにより排気量を増大させた場合は、改造申請をして認可を受ける必要があります。また、せっかく排気量を増大させても、対応する免許を未取得であれば公道で乗ることができなくなりますのでご注意ください。


体重とパワーウェイトレシオのアヤシイ関係

PWR 8.233kg/PS | 625位/全916件
体重PWR増加
体重40kg9.567kg/PS+1.334kg
体重45kg9.733kg/PS+1.500kg
体重50kg9.900kg/PS+1.667kg
体重55kg10.067kg/PS+1.834kg
体重60kg10.233kg/PS+2.000kg
体重65kg10.400kg/PS+2.167kg
体重70kg10.567kg/PS+2.334kg
体重75kg10.733kg/PS+2.500kg
体重80kg10.900kg/PS+2.667kg
体重90kg11.233kg/PS+3.000kg
体重100kg11.567kg/PS+3.334kg
400cc以下のパワーウェイトレシオ

さて、自動車と同じくバイクにおいてもパワーウェイトレシオは速さの指標としてよく使われています。

自動車ではもともとの車重が重いので、人間が1人2人乗ったところで目が飛び出るほどには変わりませんが、自動車に比べて車重が軽く、最高出力も小さめなバイクとなると話は別です。

最高出力が30PSで車両重量が247kgであるドラッグスタークラシック400の場合、バイク単体では8.233kg/PSですが、たとえば車両総重量を決める際の基準である体重55kgの人が乗ると10.067kg/PS(+1.834kg)に、100kgの人では11.567kg/PS(+3.334kg)にまで悪化してしまいます。

同好の士と仲睦まじくサーキット走行しているとき、前に出てやろうと愛馬にムチを入れても埒が明かない。こんなときは「同じバイクのはずなのにどうも遅い…壊れてるんじゃあ…」などとバイクのせいにしたくなりますが、ちょっとお腹周りを眺めて見るとその答えが見つかりそうです。

PWRの優劣が速さの絶対的な指標ではありませんが、自動車のサイトで調べたパワーウェイトレシオの平均が9.52kg/PSでしたので、体重55kgの人が乗車している場合だと自動車の平均を上回ってしまいます。そこらを普通に走っているような自動車が相手でさえ、油断すれば後れを取ることになるかもしれません。


VH02J型ドラッグスタークラシック400 2009/11モデルの各種スペック詳細ページ

主要諸元
主要諸元と年間の維持費、燃費と航続距離

ギヤ比
ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速

タイヤ
タイヤサイズ変更と加速力&最高速の変化

通知表
さまざまな性能評価の数値と偏差値&順位
【エンジン編】同車名または同型式の車種一覧
ドラッグスター400
VH02J型
(2009/11)
30PS
3.2kgm
39.0km/L
85.3万円
ドラッグスタークラシック400
VH01J型
(2001/01)
32PS
3.3kgm
39.0km/L
85.3万円
ドラッグスタークラシック400
4TR型
(1998/03)
33PS
3.3kgm
39.0km/L
85.3万円