ドラッグスター400 | 5MTのギヤ比と加速・最高速 [154km/h VH01J型 2000年]

このページでは、ドラッグスター400 [2000/03モデル]が搭載している5MTのギヤ比(歯車比・減速比)と駆動力、エンジン回転数と最高速(トップスピード)との関係をシミュレーションしています。

ギヤ比(歯車比・減速比)と加速と最高速のステキな関係

ヤマハ [ドラッグスター400]
VH01J型 399cc [32PS/3.3kgm]
純正ギヤの繋がりイメージ
ギヤギヤ比Shift-up
回転数
100kmh
回転数
7500rpm
での速度
[速度差]
1速2.714
[16.897]
-1373054.6
[ - ]
2速1.900
[11.829]
5250961078.0
[+23.4]
3速1.458
[9.078]
57507380101.7
[+23.7]
4速1.166
[7.260]
60005900127.2
[+25.5]
5速0.966
[6.014]
62104890153.5
[+26.3]
Fin6.226タイヤ外径653mm
レシオカバレッジ2.810

さて、VH01J型ドラッグスター400の変速機にはレシオカバレッジ2.810という、ややクロスレシオ気味で最高速よりも加速の良さを重視した5MTが採用されています。

これを速度の面から見てみると、1速ギヤ(2.714)の最高速54.6km/hから、最も高い5速ギヤ(0.966)の最高速153.5km/hまでの速度間(速度差は98.9km/h)を、3段のギヤで刻んで速度を上乗せしていく格好になります。

一覧表のギヤ比欄の下にある[]で囲まれた数値は、それぞれのギヤ比と一次減速比2.028および二次減速比3.070を掛けた総減速比を表記しています。

また「Shift-up回転数」は、たとえば1速ギヤで7500rpmまで回して2速ギヤにシフトアップした際に、1速ギヤと2速ギヤのステップ比(0.700)から考えると7500rpmから5250rpmまで落ちますよ、というものです。

ステップ比が大きくてシフトアップ後に回転が落ちすぎてしまい、パワーバンドを大きく外すような場合には、7500rpmより上まで回したほうが加速の雰囲気が良くなるでしょうし、逆の場合は早め早めのシフトアップが結果的に功を奏す、かもしれません。

最高出力が発生する7500rpmにおいて、最も高い5速ギヤのギヤ比0.966での速度は153.5km/h、時速100kmでの回転数は4890rpmになります。

153.5km/hという速度はその気になれば免許証が何枚あっても、命がいくつあっても足りないくらいの速度ですので、バイクとしては高速道路を走るのに不足はなくとも、人間のほうにリミッターをかけるタフな精神力が必要になりそうです。

また、最高出力が発生する回転数の半分を少し上回るくらいの回転数で時速100kmが出るので、高速道路では「もう1段上のギヤがあったらなあ…」と思うことがあるかもしれません。

400cc以下の100km/h回転数が低いバイク ランキング

巡航時の回転数を比較的簡単に下げる方法としては、タイヤの外径を大きくする(ファイナルギヤを高くするのと同じ効果)ことで劇的に!とはいきませんが、多少は下げることが可能です。


レブリミットと最高速|7500rpm以降の速度


6000
rpm
7500
rpm
8300
rpm
9000
rpm
9800
rpm
1速43.754.660.565.671.4
2速62.478.086.493.6102.0
3速81.4101.7112.5122.0132.9
4速101.7127.2140.7152.6166.2
5速122.8153.5169.9184.2200.6
PS11.013.7515.216.518.0

最高速度に大きく関係するのは最高出力ですが、ギヤ比とタイヤ径、そしてエンジン回転数を抜きにして語ることはできません。

エンジンのレブリミット(何回転まで回るのか)については、エンジンの仕様や制御方法によりけりで多種多様すぎますので、ここでは単純に最高出力が発生する7500rpmを基準として、1割増の8300rpm、2割増の9000rpm、3割増の9800rpmまで回ったとしたら、このくらいの速度になりますよ、という一覧表を作ってみました。(6000rpmは最大トルク発生回転数)

※エンジンのレブリミットは最高出力が発生する7500rpmより若干高い回転数に設定されますが、エンジンの出力は7500rpmをピークとして以降は低下する一方ですので、7500rpm以降も加速できるかどうかは未知数です。実際の最高速は走行抵抗と出力が釣り合った時点の速度になります。

オレンジ色に着色してある欄には、それぞれの回転数での平均ピストン速度を記してあります。この速度はエンジンの回転数上限を左右する要素のひとつとされ、7500rpmでの13.75m/sから回転数が増すごとに速くなり、9800rpmでは18.0m/sになります。


巡航時によくある速度での回転数

ギヤ40kmh60kmh80kmh100kmh120kmh
1速54908240109801373016470
2速384057707690961011530
3速29504430590073808850
4速23603540472059007080
5速19502930391048905860

ここでは1速から5速までのそれぞれのギヤごとに、それぞれの速度でどのくらいエンジンが回っているのかを調べてみます。

5速ギヤの場合、40km/hでは1950rpm、60km/hでは2930rpm、高速道路によくある80km/hでは3910rpm、100km/hでは4890rpm、制限速度が120km/hになると5860rpmまで回す必要が生じます。

ちなみに、エンジン出力と回転数、ギヤ比が深く関係するので到達できる車種は限られますが、スピードリミッターが働く180km/hでは8800rpm、さらに車種は限られますが300km/hでは14660rpmまで回ります。


6000rpmと7500rpmの駆動力とトルクウェイトレシオ

最大トルク3.3kgm|車両重量225kg
ギヤ6000rpm
駆動力とTWR
7500rpm
駆動力とTWR
差分
1速170.8kgm
[1.32kg/kgm]
160.4kgm
[1.40kg/kgm]
-10.4
[+0.08]
2速119.6kgm
[1.88kg/kgm]
112.3kgm
[2.00kg/kgm]
-7.3
[+0.12]
3速91.7kgm
[2.45kg/kgm]
86.2kgm
[2.61kg/kgm]
-5.5
[+0.16]
4速73.4kgm
[3.07kg/kgm]
68.9kgm
[3.27kg/kgm]
-4.5
[+0.20]
5速60.8kgm
[3.70kg/kgm]
57.1kgm
[3.94kg/kgm]
-3.7
[+0.24]
PWR8.15kg/PS7.031kg/PS-1.12

エンジンから発生する最大トルク3.3kgmは、ギヤを介して減速する(回転数を落とす)ことで、まるで倍々ゲームのごとく増大して最終的には元の何十倍、何百倍にもなります。

たとえば1速ギヤの場合、エンジンの軸トルク3.3kgmが1速ギヤを介して2.714倍に、さらに一次減速比と二次減速比で6.226倍に、そしてこれをタイヤの半径で割ると最終的な駆動力は170.8kgmになるという寸法です。

このエンジンは7500rpmで32PSを発生しますから、その時点での軸トルクは3.1kgm、同じ要領で計算すると最終的には160.4kgmになります。

基本的にはこの数値が大きいほど地面を蹴って進もうとする力が強く、6000rpmと7500rpmとの落差が小さいほど高回転域でのトルクの低下が少ない、つまり加速感が持続すると言えるかもしれません。

[]内の数値は、最大トルク発生時(3.3kgm/6000rpm)での各ギヤの駆動力を、車両重量の225kgで割ったトルクウェイトレシオで、最小は1速ギヤの1.32kg/kgmとなっています。

この1.32kg/kgmという数値はバイクの中では平均的なスペックですが、その気になれば思わず息を呑むほどの痛快なスタートダッシュを決めることができそうです。

ちなみに、自動車のサイトで集計した1速ギヤTWRの平均が1.60kg/kgmでしたので、巷に良くある一般的な自動車と同等か、やや上回るゼロスタート性能を持っていると言えそうです。


VH01J型ドラッグスター400 2000/03モデルの各種スペック詳細ページ

主要諸元
主要諸元と年間の維持費、燃費と航続距離

エンジン
エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ

タイヤ
タイヤサイズ変更と加速力&最高速の変化

通知表
さまざまな性能評価の数値と偏差値&順位
【ギヤ比編】同車名または同型式の車種一覧
ドラッグスター400
VH02J型
(2009/11)
30PS
3.2kgm
39.0km/L
64.9万円
ドラッグスタークラシック400
VH01J型
(2001/01)
32PS
3.3kgm
39.0km/L
64.9万円
ドラッグスター400
4TR型
(1998/04)
33PS
3.3kgm
43.8km/L
64.9万円