K50 | K50-3型49cc単気筒エンジンの性能とPWR [4.5PS/0.55kgm 1996年]

このページでは、K50 [1996/02モデル]が搭載しているK50-3型の単気筒49ccエンジンの諸元と出力、体重とパワーウェイトレシオの関係をシミュレーションしています。

K50-3型エンジンの各種諸元と性能曲線図

スズキ [K50]
K50-3型 49cc [4.5PS/0.55kgm]
K50-3型エンジンの簡易性能曲線図
K50-3型エンジンの簡易性能曲線図
エンジン種類
排気量
単気筒
49cc
最高出力4.5PS
5000rpm馬力3.8PS
最大トルク0.55kgm
6500rpmトルク0.50kgm
リッター換算馬力90.18PS/L
リッター換算トルク11.02kgm/L
平均ピストン速度8.19m/s
Bore/Stroke比0.922
50cc以下の1L換算馬力ランキング
50cc以下の1L換算トルクランキング

ここからはK50-3型エンジンの諸元から見えてくる出力特性を調べてみます。

上の図は最高出力が発生する回転数でのトルクと最大トルク、最大トルクが発生する回転数での馬力と最高出力とを線で繋いで折れ線グラフにしただけの簡易的なエンジン性能曲線図です。

これでは中間域の具合や6500rpm以降の馬力、トルクの落ち込み加減を知ることはできませんが、5000rpmでの最大トルク発生後、回転が高まるにつれてトルクが極端に落ちるのか、それともなだらかに下降するのかを知るくらいには使えるかもしれません。

エンジンのパワーバンドを最大トルクの5000rpmから最高出力の6500rpmまでの1500rpm(比率では23.1%)とすると、二輪車のエンジンとしては標準的な広さで、低中高とバランスのよい優等生的な性質を予感させます。

パワーの出方としては、最大トルク0.55kgmを生じる5000rpmでは、最高出力の84.4%となる3.8PSを、最高出力4.5PSを生じる6500rpmでは、最大トルクの90.9%となる0.50kgmの出力を得られます。

排気量1リットルあたりの出力は馬力が4.5PS/0.049Lで90.18PS/L、トルクが0.55kgm/0.049Lで11.02kgm/Lとなっています。これは二輪車に搭載されるエンジンの出力としては標準的な部類で、そこそこのパワーがあり扱いやすさも申し分ない攻守のバランスに優れているエンジンだと言えそうです。

最高出力が高い 単気筒エンジンのバイク
排気量に関係なく、単気筒エンジン搭載のバイクを、最高出力(馬力)が大きいものから順番に並べたランキングです。
最高出力が高い 50ccクラスのバイク
排気量が50cc以下の範囲にあるバイクを、最高出力(馬力)が大きいものから順番に並べたランキングです。
最高回転数が高い 50ccクラスのバイク
排気量が50cc以下の範囲にあるバイクを、最高回転数(最高出力が発生する回転数)が高いものから順番に並べたランキングです。

ストローク長が37.8mmであるK50-3型エンジンの場合、平均ピストンスピードは6500rpmのとき8.19m/sで、これは二輪車のエンジンとしてはゆっくりと上下運動している部類です。また上限を20.0m/sとしたときの最高回転数は15870rpmになります。

50cc以下の平均ピストンスピード ランキング

K50-3型エンジンのボアは41.0mmですので、エンジンの特性を大まかに決定づけるボアストローク比は0.922のショートストローク型(ストローク量がボア径より小さい)となり、排気量と気筒数が同一のロングストローク型に比べて、高回転域のキレが持ち味であるとされます。


ボアアップによる排気量増と圧縮比

ボア排気量圧縮比B/S比
41.0mm49.9cc
-
7.00.922
41.5mm51.1cc
[+1.2cc]
7.20.911
42.0mm52.4cc
[+2.5cc]
7.30.900
42.5mm53.6cc
[+3.7cc]
7.50.889
43.0mm54.9cc
[+5.0cc]
7.60.879
43.5mm56.2cc
[+6.3cc]
7.80.869
44.0mm57.5cc
[+7.6cc]
7.90.859

エンジンの排気量はボアとストローク、気筒数によって決まり、圧縮比は排気量と燃焼室容積によって決まります。

ここでは実際に可能かどうかは別として、純正ピストンの41.0mmから+0.5mm刻みで+3.0mmまでのオーバーサイズピストンを組むと、排気量がノーマルの49.9ccからどのように変化するかを調べてみました。

これを見るに、ピストン径が0.5mm大きくなると排気量が約1.2ccずつ大きくなり、+3.0mmの44.0mmまでボアアップすると57.5ccまで拡大(ノーマル比+15.2%)されます。

続いて燃焼室容積が8.3ccのまま変化しないと仮定したとき、ピストン径が+0.5mm大きくなるごとに圧縮比が7.0から約0.16ずつ高まっていき、同時にノッキングのリスクも高まっていきます。

50cc以下の圧縮比が高いバイク ランキング

ストローク長が37.8mmのままボアを広げていくと、ボアストローク比(B/S比)は0.922から次第に小さくなっていき、さらにショートストローク型の特性が強まって、高回転域で真価を発揮しやすい傾向になります。

※ナンバー付き車両でボアアップおよびストロークアップにより排気量を増大させた場合は、改造申請をして認可を受ける必要があります。また、せっかく排気量を増大させても、対応する免許を未取得であれば公道で乗ることができなくなりますのでご注意ください。


体重とパワーウェイトレシオのアヤシイ関係

PWR 17.333kg/PS | 822位/全916件
体重PWR増加
体重40kg26.222kg/PS+8.889kg
体重45kg27.333kg/PS+10.000kg
体重50kg28.444kg/PS+11.111kg
体重55kg29.556kg/PS+12.223kg
体重60kg30.667kg/PS+13.334kg
体重65kg31.778kg/PS+14.445kg
体重70kg32.889kg/PS+15.556kg
体重75kg34.000kg/PS+16.667kg
体重80kg35.111kg/PS+17.778kg
体重90kg37.333kg/PS+20.000kg
体重100kg39.556kg/PS+22.223kg
50cc以下のパワーウェイトレシオ

さて、自動車と同じくバイクにおいてもパワーウェイトレシオは速さの指標としてよく使われています。

自動車ではもともとの車重が重いので、人間が1人2人乗ったところで目が飛び出るほどには変わりませんが、自動車に比べて車重が軽く、最高出力も小さめなバイクとなると話は別です。

最高出力が4.5PSで車両重量が78kgであるK50の場合、バイク単体では17.333kg/PSですが、たとえば車両総重量を決める際の基準である体重55kgの人が乗ると29.556kg/PS(+12.223kg)に、100kgの人では39.556kg/PS(+22.223kg)にまで悪化してしまいます。

同好の士と仲睦まじくサーキット走行しているとき、前に出てやろうと愛馬にムチを入れても埒が明かない。こんなときは「同じバイクのはずなのにどうも遅い…壊れてるんじゃあ…」などとバイクのせいにしたくなりますが、ちょっとお腹周りを眺めて見るとその答えが見つかりそうです。

PWRの優劣が速さの絶対的な指標ではありませんが、自動車のサイトで調べたパワーウェイトレシオの平均が9.52kg/PSでしたので、体重55kgの人が乗車している場合だと自動車の平均を上回ってしまいます。そこらを普通に走っているような自動車が相手でさえ、油断すれば後れを取ることになるかもしれません。


K50-3型K50 1996/02モデルの各種スペック詳細ページ

主要諸元
主要諸元と年間の維持費、燃費と航続距離

ギヤ比
ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速

No Data

通知表
さまざまな性能評価の数値と偏差値&順位