GSX-R400R | K709型398cc直列4気筒エンジンの性能とPWR [53PS/3.8kgm 1995年]

このページでは、GSX-R400R [1995/03モデル]が搭載しているK709型の直列4気筒398ccエンジンの諸元と出力、体重とパワーウェイトレシオの関係をシミュレーションしています。

K709型エンジンの各種諸元と性能曲線図

スズキ [GSX-R400R]
GK76A型 398cc [53PS/3.8kgm]
K709型エンジンの簡易性能曲線図
K709型エンジンの簡易性能曲線図
エンジン種類
排気量
直列4気筒
398cc
最高出力53PS
9500rpm馬力50.4PS
最大トルク3.8kgm
12000rpmトルク3.2kgm
リッター換算馬力133.17PS/L
リッター換算トルク9.55kgm/L
単気筒容積99.5cc
1気筒あたり馬力13.2PS
1気筒あたりトルク0.9kgm
平均ピストン速度16.16m/s
Bore/Stroke比0.721
400cc以下の1L換算馬力ランキング
400cc以下の1L換算トルクランキング

ここからはK709型エンジンの諸元から見えてくる出力特性を調べてみます。

上の図は最高出力が発生する回転数でのトルクと最大トルク、最大トルクが発生する回転数での馬力と最高出力とを線で繋いで折れ線グラフにしただけの簡易的なエンジン性能曲線図です。

これでは中間域の具合や12000rpm以降の馬力、トルクの落ち込み加減を知ることはできませんが、9500rpmでの最大トルク発生後、回転が高まるにつれてトルクが極端に落ちるのか、それともなだらかに下降するのかを知るくらいには使えるかもしれません。

エンジンのパワーバンドを最大トルクの9500rpmから最高出力の12000rpmまでの2500rpm(比率では20.8%)とすると、二輪車のエンジンとしては標準的な広さで、低中高とバランスのよい優等生的な性質を予感させます。

パワーの出方としては、最大トルク3.8kgmを生じる9500rpmでは、最高出力の95.1%となる50.4PSを、最高出力53PSを生じる12000rpmでは、最大トルクの84.2%となる3.2kgmの出力を得られます。

排気量1リットルあたりの出力は馬力が53PS/0.398Lで133.17PS/L、トルクが3.8kgm/0.398Lで9.55kgm/Lとなっています。これは二輪車に搭載されるエンジンの出力としてはなかなか高い部類ですが、馬力一辺倒ではなく日常での使いやすさもある程度考慮されているエンジンだと言えそうです。

ちなみに、直列4気筒398ccエンジンの単気筒容積は99.5ccで、この排気量を持った各気筒それぞれが13.2PS、0.9kgmを発生させています。

最高出力が高い 直列・並列4気筒エンジンのバイク
排気量に関係なく、直列4気筒エンジン搭載のバイクを、最高出力(馬力)が大きいものから順番に並べたランキングです。
最高出力が高い 400ccクラスのバイク
排気量が251cc-400ccの範囲にあるバイクを、最高出力(馬力)が大きいものから順番に並べたランキングです。
最高回転数が高い 400ccクラスのバイク
排気量が251cc-400ccの範囲にあるバイクを、最高回転数(最高出力が発生する回転数)が高いものから順番に並べたランキングです。

ストローク長が40.4mmであるK709型エンジンの場合、平均ピストンスピードは12000rpmのとき16.16m/sで、これは二輪車のエンジンとしては一般的な速度の部類です。また上限を20.0m/sとしたときの最高回転数は14850rpmになります。

400cc以下の平均ピストンスピード ランキング

K709型エンジンのボアは56.0mmですので、エンジンの特性を大まかに決定づけるボアストローク比は0.721のショートストローク型(ストローク量がボア径より小さい)となり、排気量と気筒数が同一のロングストローク型に比べて、高回転域のキレが持ち味であるとされます。


ボアアップによる排気量増と圧縮比

ボア排気量圧縮比B/S比
56.0mm398.0cc
-
12.00.721
56.5mm405.1cc
[+7.1cc]
12.30.715
57.0mm412.4cc
[+14.4cc]
12.50.709
57.5mm419.6cc
[+21.6cc]
12.70.703
58.0mm426.9cc
[+28.9cc]
12.90.697
58.5mm434.3cc
[+36.3cc]
13.10.691
59.0mm441.8cc
[+43.8cc]
13.30.685

エンジンの排気量はボアとストローク、気筒数によって決まり、圧縮比は排気量と燃焼室容積によって決まります。

ここでは実際に可能かどうかは別として、純正ピストンの56.0mmから+0.5mm刻みで+3.0mmまでのオーバーサイズピストンを組むと、排気量がノーマルの398.0ccからどのように変化するかを調べてみました。

これを見るに、ピストン径が0.5mm大きくなると排気量が約7.1ccずつ大きくなり、+3.0mmの59.0mmまでボアアップすると441.8ccまで拡大(ノーマル比+11.0%)されます。

続いて燃焼室容積が9.0ccのまま変化しないと仮定したとき、ピストン径が+0.5mm大きくなるごとに圧縮比が12.0から約0.25ずつ高まっていき、同時にノッキングのリスクも高まっていきます。

400cc以下の圧縮比が高いバイク ランキング

ストローク長が40.4mmのままボアを広げていくと、ボアストローク比(B/S比)は0.721から次第に小さくなっていき、元よりショートストローク型だった特性がさらに強まって、高回転スペシャルの様相を呈してきます。

※ナンバー付き車両でボアアップおよびストロークアップにより排気量を増大させた場合は、改造申請をして認可を受ける必要があります。また、せっかく排気量を増大させても、対応する免許を未取得であれば公道で乗ることができなくなりますのでご注意ください。


体重とパワーウェイトレシオのアヤシイ関係

PWR 3.585kg/PS | 242位/全916件
体重PWR増加
体重40kg4.340kg/PS+0.755kg
体重45kg4.434kg/PS+0.849kg
体重50kg4.528kg/PS+0.943kg
体重55kg4.623kg/PS+1.038kg
体重60kg4.717kg/PS+1.132kg
体重65kg4.811kg/PS+1.226kg
体重70kg4.906kg/PS+1.321kg
体重75kg5.000kg/PS+1.415kg
体重80kg5.094kg/PS+1.509kg
体重90kg5.283kg/PS+1.698kg
体重100kg5.472kg/PS+1.887kg
400cc以下のパワーウェイトレシオ

さて、自動車と同じくバイクにおいてもパワーウェイトレシオは速さの指標としてよく使われています。

自動車ではもともとの車重が重いので、人間が1人2人乗ったところで目が飛び出るほどには変わりませんが、自動車に比べて車重が軽く、最高出力も小さめなバイクとなると話は別です。

最高出力が53PSで車両重量が190kgであるGSX-R400Rの場合、バイク単体では3.585kg/PSですが、たとえば車両総重量を決める際の基準である体重55kgの人が乗ると4.623kg/PS(+1.038kg)に、100kgの人では5.472kg/PS(+1.887kg)にまで悪化してしまいます。

同好の士と仲睦まじくサーキット走行しているとき、前に出てやろうと愛馬にムチを入れても埒が明かない。こんなときは「同じバイクのはずなのにどうも遅い…壊れてるんじゃあ…」などとバイクのせいにしたくなりますが、ちょっとお腹周りを眺めて見るとその答えが見つかりそうです。

PWRの優劣が速さの絶対的な指標ではありませんが、自動車のサイトで調べたパワーウェイトレシオの平均が9.52kg/PSでしたので、体重55kgの人が乗車した場合であっても自動車の平均を遥かに下回ります。ごく一部の限られたスポーツカーを除けば、まず負けることはなさそうです。


GK76A型GSX-R400R 1995/03モデルの各種スペック詳細ページ

主要諸元
主要諸元と年間の維持費、燃費と航続距離

ギヤ比
ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速

タイヤ
タイヤサイズ変更と加速力&最高速の変化

通知表
さまざまな性能評価の数値と偏差値&順位