このページでは、GS125E [1994/05モデル]が搭載している5MTのギヤ比(歯車比・減速比)と駆動力、エンジン回転数と最高速(トップスピード)との関係をシミュレーションしています。
ギヤ比(歯車比・減速比)と加速と最高速のステキな関係
スズキ [GS125E] NF41B型 124cc [14.0PS/1.00kgm] | ||||
純正ギヤの繋がりイメージ | ||||
ギヤ | ギヤ比 | Shift-up 回転数 | 100kmh 回転数 | 10000rpm での速度 [速度差] |
---|---|---|---|---|
1速 | 3.000 [31.968] | - | 27800 | 36.0 [ - ] |
2速 | 1.857 [19.788] | 6190 | 17210 | 58.1 [+22.1] |
3速 | 1.368 [14.577] | 7370 | 12680 | 78.9 [+20.8] |
4速 | 1.095 [11.668] | 8000 | 10150 | 98.5 [+19.6] |
5速 | 0.913 [9.729] | 8340 | 8460 | 118.2 [+19.7] |
Fin | 10.656 | タイヤ外径610mm レシオカバレッジ3.286 |
さて、NF41B型GS125Eの変速機にはレシオカバレッジ3.286という、ややロングレシオ気味で燃費と最高速と巡航回転数の低さを重視した5MTが採用されています。
これを速度の面から見てみると、1速ギヤ(3.000)の最高速36.0km/hから、最も高い5速ギヤ(0.913)の最高速118.2km/hまでの速度間(速度差は82.2km/h)を、3段のギヤで刻んで速度を上乗せしていく格好になります。
一覧表のギヤ比欄の下にある[]で囲まれた数値は、それぞれのギヤ比と一次減速比3.470および二次減速比3.071を掛けた総減速比を表記しています。
また「Shift-up回転数」は、たとえば1速ギヤで10000rpmまで回して2速ギヤにシフトアップした際に、1速ギヤと2速ギヤのステップ比(0.619)から考えると10000rpmから6190rpmまで落ちますよ、というものです。
ステップ比が大きくてシフトアップ後に回転が落ちすぎてしまい、パワーバンドを大きく外すような場合には、10000rpmより上まで回したほうが加速の雰囲気が良くなるでしょうし、逆の場合は早め早めのシフトアップが結果的に功を奏す、かもしれません。
最高出力が発生する10000rpmにおいて、最も高い5速ギヤのギヤ比0.913での速度は118.2km/h、時速100kmでの回転数は8460rpmになります。
また、最高出力が発生する回転数よりは低い回転数で時速100kmに到達できますが、かなりレブリミットに近い回転数まで回りますので、長時間の運転は少し厳しいかもしれません。
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巡航時の回転数を比較的簡単に下げる方法としては、タイヤの外径を大きくする、またはフロントスプロケットの歯数を14丁から増やす、もしくはリヤスプロケットの歯数を43丁より減らすという方法があります。
レブリミットと最高速|10000rpm以降の速度
8500 rpm | 10000 rpm | 11000 rpm | 12000 rpm | 13000 rpm | |
---|---|---|---|---|---|
1速 | 30.6 | 36.0 | 39.6 | 43.2 | 46.8 |
2速 | 49.4 | 58.1 | 63.9 | 69.7 | 75.5 |
3速 | 67.0 | 78.9 | 86.8 | 94.6 | 102.5 |
4速 | 83.8 | 98.5 | 108.4 | 118.2 | 128.1 |
5速 | 100.5 | 118.2 | 130.0 | 141.8 | 153.6 |
PS | 13.8 | 16.27 | 17.9 | 19.5 | 21.1 |
最高速度に大きく関係するのは最高出力ですが、ギヤ比とタイヤ径、そしてエンジン回転数を抜きにして語ることはできません。
エンジンのレブリミット(何回転まで回るのか)については、エンジンの仕様や制御方法によりけりで多種多様すぎますので、ここでは単純に最高出力が発生する10000rpmを基準として、1割増の11000rpm、2割増の12000rpm、3割増の13000rpmまで回ったとしたら、このくらいの速度になりますよ、という一覧表を作ってみました。(8500rpmは最大トルク発生回転数)
※エンジンのレブリミットは最高出力が発生する10000rpmより若干高い回転数に設定されますが、エンジンの出力は10000rpmをピークとして以降は低下する一方ですので、10000rpm以降も加速できるかどうかは未知数です。実際の最高速は走行抵抗と出力が釣り合った時点の速度になります。
オレンジ色に着色してある欄には、それぞれの回転数での平均ピストン速度を記してあります。この速度はエンジンの回転数上限を左右する要素のひとつとされ、10000rpmでの16.27m/sから回転数が増すごとに速くなり、13000rpmでは21.1m/sになります。
巡航時によくある速度での回転数
ギヤ | 40kmh | 60kmh | 80kmh | 100kmh | 120kmh |
---|---|---|---|---|---|
1速 | 11120 | 16680 | 22240 | 27800 | 33360 |
2速 | 6880 | 10330 | 13770 | 17210 | 20650 |
3速 | 5070 | 7610 | 10140 | 12680 | 15210 |
4速 | 4060 | 6090 | 8120 | 10150 | 12180 |
5速 | 3380 | 5080 | 6770 | 8460 | 10150 |
ここでは1速から5速までのそれぞれのギヤごとに、それぞれの速度でどのくらいエンジンが回っているのかを調べてみます。
5速ギヤの場合、40km/hでは3380rpm、60km/hでは5080rpm、高速道路によくある80km/hでは6770rpm、100km/hでは8460rpm、制限速度が120km/hになると10150rpmまで回す必要が生じます。
8500rpmと10000rpmの駆動力とトルクウェイトレシオ
最大トルク1.00kgm|車両重量101kg | |||
---|---|---|---|
ギヤ | 8500rpm 駆動力とTWR | 10000rpm 駆動力とTWR | 差分 |
1速 | 104.8kgm [0.96kg/kgm] | 104.8kgm [0.96kg/kgm] | 0.0 [+0.00] |
2速 | 64.9kgm [1.56kg/kgm] | 64.9kgm [1.56kg/kgm] | 0.0 [+0.00] |
3速 | 47.8kgm [2.11kg/kgm] | 47.8kgm [2.11kg/kgm] | 0.0 [+0.00] |
4速 | 38.3kgm [2.64kg/kgm] | 38.3kgm [2.64kg/kgm] | 0.0 [+0.00] |
5速 | 31.9kgm [3.17kg/kgm] | 31.9kgm [3.17kg/kgm] | 0.0 [+0.00] |
PWR | 8.49kg/PS | 7.214kg/PS | -1.28 |
エンジンから発生する最大トルク1.00kgmは、ギヤを介して減速する(回転数を落とす)ことで、まるで倍々ゲームのごとく増大して最終的には元の何十倍、何百倍にもなります。
たとえば1速ギヤの場合、エンジンの軸トルク1.00kgmが1速ギヤを介して3.000倍に、さらに一次減速比と二次減速比で10.656倍に、そしてこれをタイヤの半径で割ると最終的な駆動力は104.8kgmになるという寸法です。
このエンジンは10000rpmで14.0PSを発生しますから、その時点での軸トルクは1.00kgm、同じ要領で計算すると最終的には104.8kgmになります。
基本的にはこの数値が大きいほど地面を蹴って進もうとする力が強く、8500rpmと10000rpmとの落差が小さいほど高回転域でのトルクの低下が少ない、つまり加速感が持続すると言えるかもしれません。
[]内の数値は、最大トルク発生時(1.00kgm/8500rpm)での各ギヤの駆動力を、車両重量の101kgで割ったトルクウェイトレシオで、最小は1速ギヤの0.96kg/kgmとなっています。
この0.96kg/kgmという数値はバイクの中では平均的なスペックですが、その気になれば思わず息を呑むほどの痛快なスタートダッシュを決めることができそうです。
ちなみに、自動車のサイトで集計した1速ギヤTWRの平均が1.60kg/kgmでしたので、(少なくとも1速ギヤが吹け切るまでは)並大抵の自動車では太刀打ちできないものと思われます。
前後スプロケットと加速力および最高速の熱烈な関係
ここからは部品があるかどうか、装着できるかどうかは度外視して、前後のスプロケットの歯数(丁数とも)を変更することで時速100kmでの回転数や、最も高いギヤ比における10000rpmでの速度、1速ギヤでの最大駆動力がどのように変化するかを調べてみます。
フロントスプロケット(ドライブスプロケット)を変更
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NF41B型GS125Eのフロントスプロケットは14丁ですので、これを3丁少ない11丁から3丁多い17丁まで変化させてみました。
ノーマルの14丁では時速100kmでの回転数が8460rpm、10000rpmでの速度が118.2km/h、最大駆動力が104.8kgmとなっています。
そこから11丁に減らすとギヤ比は低くなる方向に傾き、回転数が10770rpmまで上昇、速度は92.8km/hまで低下、最大駆動力は133.4kgmに向上し、最高速と引き換えに加速力を手に入れる格好になります。
3丁増やすとギヤ比は高くなる方向に傾き、回転数は6970rpmに低下、速度は143.5km/hに上昇、最大駆動力は86.3kgmに下落し、今度は加速力と引き換えに最高速を手に入れる格好になります。
この場合、巡航回転数が下がり、最高速も大きくなり、燃費も向上しそうな点がいかにも魅力的ではありますが、うっかりエンジン特性や出力に見合わぬ高いギヤ比に設定してしまうと、特にゼロ発進時においてウンともスンとも言わない激烈な鈍足マシンに豹変しかねません。
リヤスプロケット(ドリブンスプロケット)を変更
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続いてリヤスプロケットの歯数を純正の43丁から変更した場合を見てみます。
リヤはフロントとは逆で、歯数を減らすことでギヤ比が高くなって最高速が伸び、増やすことでギヤ比が低くなって加速力が増していきます。
また、リヤはもともとの歯数が多いのでフロントの1丁ほどのインパクトはなく、1丁減らしたから、増やしたからといってもびっくりするほどには変わりません。
フロントを13丁にして加速重視か、15丁にして最高速重視かの大まかな方向性を決め、リヤの増減で微調整をする、あるいはフロントは14丁のままリヤの増減で味付けを変えるなど、スプロケット選びは考えるだけでもワクワクしてきて希望いっぱい夢いっぱいです。
※スプロケットの歯数を変更すると、車種によってはスピードメーターに誤差を生じる場合があります。車検が必要ないからとお調子に乗って弄繰り回しておりますと、メーター誤差が原因でスピード違反切符を下賜されたり、思わぬ事故にも繋がりかねませんのでご注意ください。
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