このページでは、エポ [1998/05モデル]が搭載しているA143型の単気筒49ccエンジンの諸元と出力、体重とパワーウェイトレシオの関係をシミュレーションしています。
A143型エンジンの各種諸元と性能曲線図
スズキ [エポ] NA12A型 49cc [3.8PS/0.45kgm] | |
A143型エンジンの簡易性能曲線図 | |
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エンジン種類 排気量 | 単気筒 49cc |
最高出力 | 3.8PS |
5500rpm馬力 | 3.5PS |
最大トルク | 0.45kgm |
6000rpmトルク | 0.45kgm |
リッター換算馬力 | 76.15PS/L |
リッター換算トルク | 9.02kgm/L |
平均ピストン速度 | 7.56m/s |
Bore/Stroke比 | 0.922 |
50cc以下の1L換算馬力ランキング | |
50cc以下の1L換算トルクランキング |
ここからはA143型エンジンの諸元から見えてくる出力特性を調べてみます。
上の図は最高出力が発生する回転数でのトルクと最大トルク、最大トルクが発生する回転数での馬力と最高出力とを線で繋いで折れ線グラフにしただけの簡易的なエンジン性能曲線図です。
これでは中間域の具合や6000rpm以降の馬力、トルクの落ち込み加減を知ることはできませんが、5500rpmでの最大トルク発生後、回転が高まるにつれてトルクが極端に落ちるのか、それともなだらかに下降するのかを知るくらいには使えるかもしれません。
エンジンのパワーバンドを最大トルクの5500rpmから最高出力の6000rpmまでの500rpm(比率では8.3%)とすると、やや狭いながらも高回転をキープしてスイスイ走る楽しさを味わえそうな雰囲気です。
パワーの出方としては、最大トルク0.45kgmを生じる5500rpmでは、最高出力の92.1%となる3.5PSを、最高出力3.8PSを生じる6000rpmでは、最大トルクの100.0%となる0.45kgmの出力を得られます。
排気量1リットルあたりの出力は馬力が3.8PS/0.049Lで76.15PS/L、トルクが0.45kgm/0.049Lで9.02kgm/Lとなっています。これは二輪車に搭載されるエンジンの出力としてはやや心もとない部類ですが、その反面で日常ユースで扱いやすさが光るエンジンだと言えそうです。
最高出力が高い 単気筒エンジンのバイク 排気量に関係なく、単気筒エンジン搭載のバイクを、最高出力(馬力)が大きいものから順番に並べたランキングです。 |
最高出力が高い 50ccクラスのバイク 排気量が50cc以下の範囲にあるバイクを、最高出力(馬力)が大きいものから順番に並べたランキングです。 |
最高回転数が高い 50ccクラスのバイク 排気量が50cc以下の範囲にあるバイクを、最高回転数(最高出力が発生する回転数)が高いものから順番に並べたランキングです。 |
ストローク長が37.8mmであるA143型エンジンの場合、平均ピストンスピードは6000rpmのとき7.56m/sで、これは二輪車のエンジンとしてはゆっくりと上下運動している部類です。また上限を20.0m/sとしたときの最高回転数は15870rpmになります。
A143型エンジンのボアは41.0mmですので、エンジンの特性を大まかに決定づけるボアストローク比は0.922のショートストローク型(ストローク量がボア径より小さい)となり、排気量と気筒数が同一のロングストローク型に比べて、高回転域のキレが持ち味であるとされます。
ボアアップによる排気量増と圧縮比
ボア | 排気量 | 圧縮比 | B/S比 |
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41.0mm | 49.9cc - | 0.0 | 0.922 |
41.5mm | 51.1cc [+1.2cc] | -0.0 | 0.911 |
42.0mm | 52.4cc [+2.5cc] | -0.1 | 0.900 |
42.5mm | 53.6cc [+3.7cc] | -0.1 | 0.889 |
43.0mm | 54.9cc [+5.0cc] | -0.1 | 0.879 |
43.5mm | 56.2cc [+6.3cc] | -0.1 | 0.869 |
44.0mm | 57.5cc [+7.6cc] | -0.2 | 0.859 |
エンジンの排気量はボアとストローク、気筒数によって決まり、圧縮比は排気量と燃焼室容積によって決まります。
ここでは実際に可能かどうかは別として、純正ピストンの41.0mmから+0.5mm刻みで+3.0mmまでのオーバーサイズピストンを組むと、排気量がノーマルの49.9ccからどのように変化するかを調べてみました。
これを見るに、ピストン径が0.5mm大きくなると排気量が約1.2ccずつ大きくなり、+3.0mmの44.0mmまでボアアップすると57.5ccまで拡大(ノーマル比+15.2%)されます。
続いて燃焼室容積が-49.9ccのまま変化しないと仮定したとき、ピストン径が+0.5mm大きくなるごとに圧縮比が0.0から約-0.02ずつ高まっていき、同時にノッキングのリスクも高まっていきます。
ストローク長が37.8mmのままボアを広げていくと、ボアストローク比(B/S比)は0.922から次第に小さくなっていき、さらにショートストローク型の特性が強まって、高回転域で真価を発揮しやすい傾向になります。
※ナンバー付き車両でボアアップおよびストロークアップにより排気量を増大させた場合は、改造申請をして認可を受ける必要があります。また、せっかく排気量を増大させても、対応する免許を未取得であれば公道で乗ることができなくなりますのでご注意ください。
体重とパワーウェイトレシオのアヤシイ関係
PWR 18.421kg/PS | 837位/全916件 | ||
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体重 | PWR | 増加 |
体重40kg | 28.947kg/PS | +10.526kg |
体重45kg | 30.263kg/PS | +11.842kg |
体重50kg | 31.579kg/PS | +13.158kg |
体重55kg | 32.895kg/PS | +14.474kg |
体重60kg | 34.211kg/PS | +15.790kg |
体重65kg | 35.526kg/PS | +17.105kg |
体重70kg | 36.842kg/PS | +18.421kg |
体重75kg | 38.158kg/PS | +19.737kg |
体重80kg | 39.474kg/PS | +21.053kg |
体重90kg | 42.105kg/PS | +23.684kg |
体重100kg | 44.737kg/PS | +26.316kg |
50cc以下のパワーウェイトレシオ |
さて、自動車と同じくバイクにおいてもパワーウェイトレシオは速さの指標としてよく使われています。
自動車ではもともとの車重が重いので、人間が1人2人乗ったところで目が飛び出るほどには変わりませんが、自動車に比べて車重が軽く、最高出力も小さめなバイクとなると話は別です。
最高出力が3.8PSで車両重量が70kgであるエポの場合、バイク単体では18.421kg/PSですが、たとえば車両総重量を決める際の基準である体重55kgの人が乗ると32.895kg/PS(+14.474kg)に、100kgの人では44.737kg/PS(+26.316kg)にまで悪化してしまいます。
同好の士と仲睦まじくサーキット走行しているとき、前に出てやろうと愛馬にムチを入れても埒が明かない。こんなときは「同じバイクのはずなのにどうも遅い…壊れてるんじゃあ…」などとバイクのせいにしたくなりますが、ちょっとお腹周りを眺めて見るとその答えが見つかりそうです。
PWRの優劣が速さの絶対的な指標ではありませんが、自動車のサイトで調べたパワーウェイトレシオの平均が9.52kg/PSでしたので、体重55kgの人が乗車している場合だと自動車の平均を上回ってしまいます。そこらを普通に走っているような自動車が相手でさえ、油断すれば後れを取ることになるかもしれません。
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