このページでは、XLディグリー [1991/04モデル]が搭載している6MTのギヤ比(歯車比・減速比)と駆動力、エンジン回転数と最高速(トップスピード)との関係をシミュレーションしています。
ギヤ比(歯車比・減速比)と加速と最高速のステキな関係
ホンダ [XLディグリー] MD26型 249cc [25PS/2.5kgm] | ||||
純正ギヤの繋がりイメージ | ||||
ギヤ | ギヤ比 | Shift-up 回転数 | 100kmh 回転数 | 8000rpm での速度 [速度差] |
---|---|---|---|---|
1速 | 2.846 [26.263] | - | 20160 | 39.7 [ - ] |
2速 | 1.777 [16.398] | 4990 | 12590 | 63.5 [+23.8] |
3速 | 1.333 [12.301] | 6000 | 9440 | 84.7 [+21.2] |
4速 | 1.041 [9.606] | 6250 | 7380 | 108.5 [+23.8] |
5速 | 0.884 [8.158] | 6790 | 6260 | 127.7 [+19.2] |
6速 | 0.785 [7.244] | 7100 | 5560 | 143.8 [+16.1] |
Fin | 9.228 | タイヤ外径691mm レシオカバレッジ3.625 |
さて、MD26型XLディグリーの変速機にはレシオカバレッジ3.625という、ロングレシオで最高速の伸びと巡航回転数の低さ、燃費の良さを重視した6MTが採用されています。
これを速度の面から見てみると、1速ギヤ(2.846)の最高速39.7km/hから、最も高い6速ギヤ(0.785)の最高速143.8km/hまでの速度間(速度差は104.1km/h)を、4段のギヤで刻んで速度を上乗せしていく格好になります。
一覧表のギヤ比欄の下にある[]で囲まれた数値は、それぞれのギヤ比と一次減速比2.727および二次減速比3.384を掛けた総減速比を表記しています。
また「Shift-up回転数」は、たとえば1速ギヤで8000rpmまで回して2速ギヤにシフトアップした際に、1速ギヤと2速ギヤのステップ比(0.624)から考えると8000rpmから4990rpmまで落ちますよ、というものです。
ステップ比が大きくてシフトアップ後に回転が落ちすぎてしまい、パワーバンドを大きく外すような場合には、8000rpmより上まで回したほうが加速の雰囲気が良くなるでしょうし、逆の場合は早め早めのシフトアップが結果的に功を奏す、かもしれません。
最高出力が発生する8000rpmにおいて、最も高い6速ギヤのギヤ比0.785での速度は143.8km/h、時速100kmでの回転数は5560rpmになります。
143.8km/hという速度はその気になれば免許証が何枚あっても、命がいくつあっても足りないくらいの速度ですので、バイクとしては高速道路を走るのに不足はなくとも、人間のほうにリミッターをかけるタフな精神力が必要になりそうです。
また、最高出力が発生する回転数の半分を少し上回るくらいの回転数で時速100kmが出るので、高速道路では「もう1段上のギヤがあったらなあ…」と思うことがあるかもしれません。
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巡航時の回転数を比較的簡単に下げる方法としては、タイヤの外径を大きくする、またはフロントスプロケットの歯数を13丁から増やす、もしくはリヤスプロケットの歯数を44丁より減らすという方法があります。
レブリミットと最高速|8000rpm以降の速度
6500 rpm | 8000 rpm | 8800 rpm | 9600 rpm | 10400 rpm | |
---|---|---|---|---|---|
1速 | 32.2 | 39.7 | 43.6 | 47.6 | 51.6 |
2速 | 51.6 | 63.5 | 69.9 | 76.2 | 82.6 |
3速 | 68.8 | 84.7 | 93.2 | 101.6 | 110.1 |
4速 | 88.1 | 108.5 | 119.3 | 130.2 | 141.0 |
5速 | 103.8 | 127.7 | 140.5 | 153.3 | 166.0 |
6速 | 116.9 | 143.8 | 158.2 | 172.6 | 187.0 |
PS | 14.0 | 17.28 | 19.0 | 20.7 | 22.5 |
最高速度に大きく関係するのは最高出力ですが、ギヤ比とタイヤ径、そしてエンジン回転数を抜きにして語ることはできません。
エンジンのレブリミット(何回転まで回るのか)については、エンジンの仕様や制御方法によりけりで多種多様すぎますので、ここでは単純に最高出力が発生する8000rpmを基準として、1割増の8800rpm、2割増の9600rpm、3割増の10400rpmまで回ったとしたら、このくらいの速度になりますよ、という一覧表を作ってみました。(6500rpmは最大トルク発生回転数)
※エンジンのレブリミットは最高出力が発生する8000rpmより若干高い回転数に設定されますが、エンジンの出力は8000rpmをピークとして以降は低下する一方ですので、8000rpm以降も加速できるかどうかは未知数です。実際の最高速は走行抵抗と出力が釣り合った時点の速度になります。
オレンジ色に着色してある欄には、それぞれの回転数での平均ピストン速度を記してあります。この速度はエンジンの回転数上限を左右する要素のひとつとされ、8000rpmでの17.28m/sから回転数が増すごとに速くなり、10400rpmでは22.5m/sになります。
巡航時によくある速度での回転数
ギヤ | 40kmh | 60kmh | 80kmh | 100kmh | 120kmh |
---|---|---|---|---|---|
1速 | 8070 | 12100 | 16130 | 20160 | 24200 |
2速 | 5040 | 7550 | 10070 | 12590 | 15110 |
3速 | 3780 | 5670 | 7560 | 9440 | 11330 |
4速 | 2950 | 4430 | 5900 | 7380 | 8850 |
5速 | 2510 | 3760 | 5010 | 6260 | 7520 |
6速 | 2220 | 3340 | 4450 | 5560 | 6670 |
ここでは1速から6速までのそれぞれのギヤごとに、それぞれの速度でどのくらいエンジンが回っているのかを調べてみます。
6速ギヤの場合、40km/hでは2220rpm、60km/hでは3340rpm、高速道路によくある80km/hでは4450rpm、100km/hでは5560rpm、制限速度が120km/hになると6670rpmまで回す必要が生じます。
ちなみに、エンジン出力と回転数、ギヤ比が深く関係するので到達できる車種は限られますが、スピードリミッターが働く180km/hでは10010rpm、さらに車種は限られますが300km/hでは16690rpmまで回ります。
6500rpmと8000rpmの駆動力とトルクウェイトレシオ
最大トルク2.5kgm|車両重量129kg | |||
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ギヤ | 6500rpm 駆動力とTWR | 8000rpm 駆動力とTWR | 差分 |
1速 | 190.0kgm [0.68kg/kgm] | 167.2kgm [0.77kg/kgm] | -22.8 [+0.09] |
2速 | 118.7kgm [1.09kg/kgm] | 104.4kgm [1.24kg/kgm] | -14.3 [+0.15] |
3速 | 89.0kgm [1.45kg/kgm] | 78.3kgm [1.65kg/kgm] | -10.7 [+0.20] |
4速 | 69.5kgm [1.86kg/kgm] | 61.2kgm [2.11kg/kgm] | -8.3 [+0.25] |
5速 | 59.0kgm [2.19kg/kgm] | 51.9kgm [2.49kg/kgm] | -7.1 [+0.30] |
6速 | 52.4kgm [2.46kg/kgm] | 46.1kgm [2.80kg/kgm] | -6.3 [+0.34] |
PWR | 5.68kg/PS | 5.160kg/PS | -0.52 |
エンジンから発生する最大トルク2.5kgmは、ギヤを介して減速する(回転数を落とす)ことで、まるで倍々ゲームのごとく増大して最終的には元の何十倍、何百倍にもなります。
たとえば1速ギヤの場合、エンジンの軸トルク2.5kgmが1速ギヤを介して2.846倍に、さらに一次減速比と二次減速比で9.228倍に、そしてこれをタイヤの半径で割ると最終的な駆動力は190.0kgmになるという寸法です。
このエンジンは8000rpmで25PSを発生しますから、その時点での軸トルクは2.2kgm、同じ要領で計算すると最終的には167.2kgmになります。
基本的にはこの数値が大きいほど地面を蹴って進もうとする力が強く、6500rpmと8000rpmとの落差が小さいほど高回転域でのトルクの低下が少ない、つまり加速感が持続すると言えるかもしれません。
[]内の数値は、最大トルク発生時(2.5kgm/6500rpm)での各ギヤの駆動力を、車両重量の129kgで割ったトルクウェイトレシオで、最小は1速ギヤの0.68kg/kgmとなっています。
この0.68kg/kgmという数値はバイクの中では平均的なスペックですが、その気になれば思わず息を呑むほどの痛快なスタートダッシュを決めることができそうです。
ちなみに、自動車のサイトで集計した1速ギヤTWRの平均が1.60kg/kgmでしたので、その道では名の知れたスポーツカーであっても、一瞬にして点にしてしまう猛烈な加速が期待できます。
前後スプロケットと加速力および最高速の熱烈な関係
ここからは部品があるかどうか、装着できるかどうかは度外視して、前後のスプロケットの歯数(丁数とも)を変更することで時速100kmでの回転数や、最も高いギヤ比における8000rpmでの速度、1速ギヤでの最大駆動力がどのように変化するかを調べてみます。
フロントスプロケット(ドライブスプロケット)を変更
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MD26型XLディグリーのフロントスプロケットは13丁ですので、これを3丁少ない10丁から3丁多い16丁まで変化させてみました。
ノーマルの13丁では時速100kmでの回転数が5560rpm、8000rpmでの速度が143.8km/h、最大駆動力が190.0kgmとなっています。
そこから10丁に減らすとギヤ比は低くなる方向に傾き、回転数が7230rpmまで上昇、速度は110.6km/hまで低下、最大駆動力は247.1kgmに向上し、最高速と引き換えに加速力を手に入れる格好になります。
3丁増やすとギヤ比は高くなる方向に傾き、回転数は4520rpmに低下、速度は177.0km/hに上昇、最大駆動力は154.4kgmに下落し、今度は加速力と引き換えに最高速を手に入れる格好になります。
この場合、巡航回転数が下がり、最高速も大きくなり、燃費も向上しそうな点がいかにも魅力的ではありますが、うっかりエンジン特性や出力に見合わぬ高いギヤ比に設定してしまうと、特にゼロ発進時においてウンともスンとも言わない激烈な鈍足マシンに豹変しかねません。
リヤスプロケット(ドリブンスプロケット)を変更
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続いてリヤスプロケットの歯数を純正の44丁から変更した場合を見てみます。
リヤはフロントとは逆で、歯数を減らすことでギヤ比が高くなって最高速が伸び、増やすことでギヤ比が低くなって加速力が増していきます。
また、リヤはもともとの歯数が多いのでフロントの1丁ほどのインパクトはなく、1丁減らしたから、増やしたからといってもびっくりするほどには変わりません。
フロントを12丁にして加速重視か、14丁にして最高速重視かの大まかな方向性を決め、リヤの増減で微調整をする、あるいはフロントは13丁のままリヤの増減で味付けを変えるなど、スプロケット選びは考えるだけでもワクワクしてきて希望いっぱい夢いっぱいです。
※スプロケットの歯数を変更すると、車種によってはスピードメーターに誤差を生じる場合があります。車検が必要ないからとお調子に乗って弄繰り回しておりますと、メーター誤差が原因でスピード違反切符を下賜されたり、思わぬ事故にも繋がりかねませんのでご注意ください。
MD26型XLディグリー 1991/04モデルの各種スペック詳細ページ | |||
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主要諸元 主要諸元と年間の維持費、燃費と航続距離 | エンジン エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ | No Data | 通知表 さまざまな性能評価の数値と偏差値&順位 |
【ギヤ比編】同車名または同型式の車種一覧 | |||
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ディグリー MD31型 (1995/03) | 25PS 2.5kgm 40.0km/L 37.9万円 | MD21E 単気筒 249cc [6MT] | |
AX-1 MD21型 (1987/12) | 29PS 2.6kgm 50.3km/L 37.9万円 | MD21E 単気筒 249cc [6MT] |