リード90 | CVTの変速比と加速・最高速 [71km/h HF05型 1988年]

このページでは、リード90 [1988/04モデル]が搭載しているCVTの変速比(プーリー比)と駆動力、エンジン回転数と最高速(トップスピード)との関係をシミュレーションしています。

変速比(プーリー比)と加速と最高速のステキな関係

ホンダ [リード90]
HF05型 89cc [8.4PS/1.00kgm]
純正ギヤの繋がりイメージ
ギヤ変速比Shift-up
回転数
100kmh
回転数
6500rpm
での速度
[速度差]
1速2.300
[21.680]
-2650024.5
[ - ]
2速0.800
[7.541]
2260922070.5
[+46.0]
Fin9.426タイヤ外径434mm
レシオカバレッジ2.875

さて、HF05型リード90の変速機にはレシオカバレッジ2.875という、加速の力強さと最高速の伸びのバランス加減がほどよいCVTが採用されています。

これを速度の面から見てみると、CVTの変速比のLow側(2.300)の最高速24.5km/hから、Hi側(0.800)の最高速70.5km/hまでの速度を、エンジン出力と走行負荷に応じて変速比を無段階かつ連続的に変化させながら速度を上乗せしていく格好になります。

一覧表の変速比欄の下にある[]で囲まれた数値は、それぞれの変速比と一次減速比3.000および二次減速比3.142を掛けた総減速比を表記しています。

また「Shift-up回転数」は、たとえば1速ギヤで6500rpmまで回して2速ギヤにシフトアップした際に、1速ギヤと2速ギヤのステップ比(0.348)から考えると6500rpmから2260rpmまで落ちますよ、というものです。

ステップ比が大きくてシフトアップ後に回転が落ちすぎてしまい、パワーバンドを大きく外すような場合には、6500rpmより上まで回したほうが加速の雰囲気が良くなるでしょうし、逆の場合は早め早めのシフトアップが結果的に功を奏す、かもしれません。

最高出力が発生する6500rpmにおいて、High側の変速比0.800での速度は70.5km/h、時速100kmでの回転数は9220rpmになります。

また、最高出力が発生する回転数よりも時速100kmが出せる回転数のほうが高いので、残念ながら時速100kmへの到達は厳しい、もしくは出せてもエンジンが唸りを上げているものと思われます。

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巡航時の回転数を比較的簡単に下げる方法としては、タイヤの外径を大きくする(ファイナルギヤを高くするのと同じ効果)ことで劇的に!とはいきませんが、多少は下げることが可能です。


レブリミットと最高速|6500rpm以降の速度


4000
rpm
6500
rpm
7200
rpm
7800
rpm
8500
rpm
1速15.124.527.229.432.1
2速43.470.578.184.692.2
PS6.610.7511.912.914.1

最高速度に大きく関係するのは最高出力ですが、変速比とタイヤ径、そしてエンジン回転数を抜きにして語ることはできません。

エンジンのレブリミット(何回転まで回るのか)については、エンジンの仕様や制御方法によりけりで多種多様すぎますので、ここでは単純に最高出力が発生する6500rpmを基準として、1割増の7200rpm、2割増の7800rpm、3割増の8500rpmまで回ったとしたら、このくらいの速度になりますよ、という一覧表を作ってみました。(4000rpmは最大トルク発生回転数)

※エンジンのレブリミットは最高出力が発生する6500rpmより若干高い回転数に設定されますが、エンジンの出力は6500rpmをピークとして以降は低下する一方ですので、6500rpm以降も加速できるかどうかは未知数です。実際の最高速は走行抵抗と出力が釣り合った時点の速度になります。

オレンジ色に着色してある欄には、それぞれの回転数での平均ピストン速度を記してあります。この速度はエンジンの回転数上限を左右する要素のひとつとされ、6500rpmでの10.75m/sから回転数が増すごとに速くなり、8500rpmでは14.1m/sになります。


巡航時によくある速度での回転数

ギヤ40kmh60kmh80kmh100kmh120kmh
1速1060015900212002650031800
2速369055307370922011060

ここでは1速から2速までのそれぞれのギヤごとに、それぞれの速度でどのくらいエンジンが回っているのかを調べてみます。

2速ギヤの場合、40km/hでは3690rpm、60km/hでは5530rpm、高速道路によくある80km/hでは7370rpm、100km/hでは9220rpm、制限速度が120km/hになると11060rpmまで回す必要が生じます。


4000rpmと6500rpmの駆動力とトルクウェイトレシオ

最大トルク1.00kgm|車両重量85kg
ギヤ4000rpm
駆動力とTWR
6500rpm
駆動力とTWR
差分
1速99.9kgm
[0.85kg/kgm]
92.9kgm
[0.91kg/kgm]
-7.0
[+0.06]
2速34.8kgm
[2.44kg/kgm]
32.3kgm
[2.63kg/kgm]
-2.5
[+0.19]
PWR15.18kg/PS10.119kg/PS-5.06

エンジンから発生する最大トルク1.00kgmは、ギヤを介して減速する(回転数を落とす)ことで、まるで倍々ゲームのごとく増大して最終的には元の何十倍、何百倍にもなります。

たとえば1速ギヤの場合、エンジンの軸トルク1.00kgmが1速ギヤを介して2.300倍に、さらに一次減速比と二次減速比で9.426倍に、そしてこれをタイヤの半径で割ると最終的な駆動力は99.9kgmになるという寸法です。

このエンジンは6500rpmで8.4PSを発生しますから、その時点での軸トルクは0.93kgm、同じ要領で計算すると最終的には92.9kgmになります。

基本的にはこの数値が大きいほど地面を蹴って進もうとする力が強く、4000rpmと6500rpmとの落差が小さいほど高回転域でのトルクの低下が少ない、つまり加速感が持続すると言えるかもしれません。

[]内の数値は、最大トルク発生時(1.00kgm/4000rpm)での各ギヤの駆動力を、車両重量の85kgで割ったトルクウェイトレシオで、最小は1速ギヤの0.85kg/kgmとなっています。

この0.85kg/kgmという数値はバイクの中では平均的なスペックですが、その気になれば思わず息を呑むほどの痛快なスタートダッシュを決めることができそうです。

ちなみに、自動車のサイトで集計した1速ギヤTWRの平均が1.60kg/kgmでしたので、(少なくとも1速ギヤが吹け切るまでは)並大抵の自動車では太刀打ちできないものと思われます。


HF05型リード90 1988/04モデルの各種スペック詳細ページ

主要諸元
主要諸元と年間の維持費、燃費と航続距離

エンジン
エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ

タイヤ
タイヤサイズ変更と加速力&最高速の変化

通知表
さまざまな性能評価の数値と偏差値&順位
【ギヤ比編】同車名または同型式の車種一覧