このページでは、CBR600F [1993/11モデル]が搭載しているPC25E型の直列4気筒599ccエンジンの諸元と出力、体重とパワーウェイトレシオの関係をシミュレーションしています。
PC25E型エンジンの各種諸元と性能曲線図
ホンダ [CBR600F] PC25型 599cc [69PS/5.1kgm] | |
PC25E型エンジンの簡易性能曲線図 | |
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エンジン種類 排気量 | 直列4気筒 599cc |
最高出力 | 69PS |
8000rpm馬力 | 57.0PS |
最大トルク | 5.1kgm |
11000rpmトルク | 4.5kgm |
リッター換算馬力 | 115.02PS/L |
リッター換算トルク | 8.50kgm/L |
単気筒容積 | 150.0cc |
1気筒あたり馬力 | 17.2PS |
1気筒あたりトルク | 1.3kgm |
平均ピストン速度 | 16.57m/s |
Bore/Stroke比 | 0.695 |
750cc以下の1L換算馬力ランキング | |
750cc以下の1L換算トルクランキング |
ここからはPC25E型エンジンの諸元から見えてくる出力特性を調べてみます。
上の図は最高出力が発生する回転数でのトルクと最大トルク、最大トルクが発生する回転数での馬力と最高出力とを線で繋いで折れ線グラフにしただけの簡易的なエンジン性能曲線図です。
これでは中間域の具合や11000rpm以降の馬力、トルクの落ち込み加減を知ることはできませんが、8000rpmでの最大トルク発生後、回転が高まるにつれてトルクが極端に落ちるのか、それともなだらかに下降するのかを知るくらいには使えるかもしれません。
エンジンのパワーバンドを最大トルクの8000rpmから最高出力の11000rpmまでの3000rpm(比率では27.3%)とすると、どちらかというと広めのパワーバンドで扱いやすい傾向にありそうな雰囲気です。
パワーの出方としては、最大トルク5.1kgmを生じる8000rpmでは、最高出力の82.6%となる57.0PSを、最高出力69PSを生じる11000rpmでは、最大トルクの88.2%となる4.5kgmの出力を得られます。
排気量1リットルあたりの出力は馬力が69PS/0.599Lで115.02PS/L、トルクが5.1kgm/0.599Lで8.50kgm/Lとなっています。これは二輪車に搭載されるエンジンの出力としては標準的な部類で、そこそこのパワーがあり扱いやすさも申し分ない攻守のバランスに優れているエンジンだと言えそうです。
ちなみに、直列4気筒599ccエンジンの単気筒容積は150.0ccで、この排気量を持った各気筒それぞれが17.2PS、1.3kgmを発生させています。
最高出力が高い 直列・並列4気筒エンジンのバイク 排気量に関係なく、直列4気筒エンジン搭載のバイクを、最高出力(馬力)が大きいものから順番に並べたランキングです。 |
最高出力が高い 750ccクラスのバイク 排気量が401cc-750ccの範囲にあるバイクを、最高出力(馬力)が大きいものから順番に並べたランキングです。 |
最高回転数が高い 750ccクラスのバイク 排気量が401cc-750ccの範囲にあるバイクを、最高回転数(最高出力が発生する回転数)が高いものから順番に並べたランキングです。 |
ストローク長が45.2mmであるPC25E型エンジンの場合、平均ピストンスピードは11000rpmのとき16.57m/sで、これは二輪車のエンジンとしては一般的な速度の部類です。また上限を20.0m/sとしたときの最高回転数は13270rpmになります。
PC25E型エンジンのボアは65.0mmですので、エンジンの特性を大まかに決定づけるボアストローク比は0.695のショートストローク型(ストローク量がボア径より小さい)となり、排気量と気筒数が同一のロングストローク型に比べて、高回転域のキレが持ち味であるとされます。
ボアアップによる排気量増と圧縮比
ボア | 排気量 | 圧縮比 | B/S比 |
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65.0mm | 599.9cc - | 11.6 | 0.695 |
65.5mm | 609.2cc [+9.3cc] | 11.7 | 0.690 |
66.0mm | 618.5cc [+18.6cc] | 11.9 | 0.685 |
66.5mm | 627.9cc [+28.0cc] | 12.1 | 0.680 |
67.0mm | 637.4cc [+37.5cc] | 12.2 | 0.675 |
67.5mm | 647.0cc [+47.1cc] | 12.4 | 0.670 |
68.0mm | 656.6cc [+56.7cc] | 12.6 | 0.665 |
エンジンの排気量はボアとストローク、気筒数によって決まり、圧縮比は排気量と燃焼室容積によって決まります。
ここでは実際に可能かどうかは別として、純正ピストンの65.0mmから+0.5mm刻みで+3.0mmまでのオーバーサイズピストンを組むと、排気量がノーマルの599.9ccからどのように変化するかを調べてみました。
これを見るに、ピストン径が0.5mm大きくなると排気量が約9.3ccずつ大きくなり、+3.0mmの68.0mmまでボアアップすると656.6ccまで拡大(ノーマル比+9.5%)されます。
続いて燃焼室容積が14.2ccのまま変化しないと仮定したとき、ピストン径が+0.5mm大きくなるごとに圧縮比が11.6から約0.13ずつ高まっていき、同時にノッキングのリスクも高まっていきます。
ストローク長が45.2mmのままボアを広げていくと、ボアストローク比(B/S比)は0.695から次第に小さくなっていき、元よりショートストローク型だった特性がさらに強まって、高回転スペシャルの様相を呈してきます。
※ナンバー付き車両でボアアップおよびストロークアップにより排気量を増大させた場合は、改造申請をして認可を受ける必要があります。また、せっかく排気量を増大させても、対応する免許を未取得であれば公道で乗ることができなくなりますのでご注意ください。
体重とパワーウェイトレシオのアヤシイ関係
PWR 2.986kg/PS | 180位/全916件 | ||
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体重 | PWR | 増加 |
体重40kg | 3.565kg/PS | +0.579kg |
体重45kg | 3.638kg/PS | +0.652kg |
体重50kg | 3.710kg/PS | +0.724kg |
体重55kg | 3.783kg/PS | +0.797kg |
体重60kg | 3.855kg/PS | +0.869kg |
体重65kg | 3.928kg/PS | +0.942kg |
体重70kg | 4.000kg/PS | +1.014kg |
体重75kg | 4.072kg/PS | +1.086kg |
体重80kg | 4.145kg/PS | +1.159kg |
体重90kg | 4.290kg/PS | +1.304kg |
体重100kg | 4.435kg/PS | +1.449kg |
750cc以下のパワーウェイトレシオ |
さて、自動車と同じくバイクにおいてもパワーウェイトレシオは速さの指標としてよく使われています。
自動車ではもともとの車重が重いので、人間が1人2人乗ったところで目が飛び出るほどには変わりませんが、自動車に比べて車重が軽く、最高出力も小さめなバイクとなると話は別です。
最高出力が69PSで車両重量が206kgであるCBR600Fの場合、バイク単体では2.986kg/PSですが、たとえば車両総重量を決める際の基準である体重55kgの人が乗ると3.783kg/PS(+0.797kg)に、100kgの人では4.435kg/PS(+1.449kg)にまで悪化してしまいます。
同好の士と仲睦まじくサーキット走行しているとき、前に出てやろうと愛馬にムチを入れても埒が明かない。こんなときは「同じバイクのはずなのにどうも遅い…壊れてるんじゃあ…」などとバイクのせいにしたくなりますが、ちょっとお腹周りを眺めて見るとその答えが見つかりそうです。
PWRの優劣が速さの絶対的な指標ではありませんが、自動車のサイトで調べたパワーウェイトレシオの平均が9.52kg/PSでしたので、体重55kgの人が乗車した場合であっても自動車の平均を遥かに下回ります。ごく一部の限られたスポーツカーを除けば、まず負けることはなさそうです。
PC25型CBR600F 1993/11モデルの各種スペック詳細ページ | |||
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【エンジン編】同車名または同型式の車種一覧 | |||
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ホーネットS PC34型 (2000/03) | 69PS 5.3kgm 30.2km/L 74.5万円 | PC25E 直列4 599cc [6MT] | |
CBR600F PC35型 (1999/04) | 69PS 5.3kgm 31.6km/L 74.5万円 | PC35E 直列4 599cc [6MT] |