このページでは、CBR400R [2016/02モデル]が搭載している6MTのギヤ比(歯車比・減速比)と駆動力、エンジン回転数と最高速(トップスピード)との関係をシミュレーションしています。
ギヤ比(歯車比・減速比)と加速と最高速のステキな関係
ホンダ [CBR400R] NC47型 399cc [46PS/3.8kgm] | ||||
純正ギヤの繋がりイメージ | ||||
ギヤ | ギヤ比 | Shift-up 回転数 | 100kmh 回転数 | 9500rpm での速度 [速度差] |
---|---|---|---|---|
1速 | 3.285 [19.996] | - | 17000 | 55.9 [ - ] |
2速 | 2.105 [12.813] | 6090 | 10890 | 87.2 [+31.3] |
3速 | 1.600 [9.739] | 7220 | 8280 | 114.7 [+27.5] |
4速 | 1.300 [7.913] | 7710 | 6730 | 141.2 [+26.5] |
5速 | 1.150 [7.000] | 8410 | 5950 | 159.6 [+18.4] |
6速 | 1.043 [6.349] | 8620 | 5400 | 176.0 [+16.4] |
Fin | 6.087 | タイヤ外径624mm レシオカバレッジ3.150 |
さて、NC47型CBR400Rの変速機にはレシオカバレッジ3.150という、加速の力強さと最高速の伸びのバランス加減がほどよい6MTが採用されています。
これを速度の面から見てみると、1速ギヤ(3.285)の最高速55.9km/hから、最も高い6速ギヤ(1.043)の最高速176.0km/hまでの速度間(速度差は120.1km/h)を、4段のギヤで刻んで速度を上乗せしていく格好になります。
一覧表のギヤ比欄の下にある[]で囲まれた数値は、それぞれのギヤ比と一次減速比2.029および二次減速比3.000を掛けた総減速比を表記しています。
また「Shift-up回転数」は、たとえば1速ギヤで9500rpmまで回して2速ギヤにシフトアップした際に、1速ギヤと2速ギヤのステップ比(0.641)から考えると9500rpmから6090rpmまで落ちますよ、というものです。
ステップ比が大きくてシフトアップ後に回転が落ちすぎてしまい、パワーバンドを大きく外すような場合には、9500rpmより上まで回したほうが加速の雰囲気が良くなるでしょうし、逆の場合は早め早めのシフトアップが結果的に功を奏す、かもしれません。
最高出力が発生する9500rpmにおいて、最も高い6速ギヤのギヤ比1.043での速度は176.0km/h、時速100kmでの回転数は5400rpmになります。
176.0km/hという速度はその気になれば免許証が何枚あっても、命がいくつあっても足りないくらいの速度ですので、バイクとしては高速道路を走るのに不足はなくとも、人間のほうにリミッターをかけるタフな精神力が必要になりそうです。
また、最高出力が発生する回転数の半分を少し上回るくらいの回転数で時速100kmが出るので、高速道路では「もう1段上のギヤがあったらなあ…」と思うことがあるかもしれません。
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巡航時の回転数を比較的簡単に下げる方法としては、タイヤの外径を大きくする、またはフロントスプロケットの歯数を15丁から増やす、もしくはリヤスプロケットの歯数を45丁より減らすという方法があります。
レブリミットと最高速|9500rpm以降の速度
7500 rpm | 9500 rpm | 10500 rpm | 11400 rpm | 12400 rpm | |
---|---|---|---|---|---|
1速 | 44.1 | 55.9 | 61.8 | 67.1 | 72.9 |
2速 | 68.8 | 87.2 | 96.4 | 104.6 | 113.8 |
3速 | 90.6 | 114.7 | 126.8 | 137.7 | 149.8 |
4速 | 111.5 | 141.2 | 156.1 | 169.4 | 184.3 |
5速 | 126.0 | 159.6 | 176.4 | 191.5 | 208.3 |
6速 | 138.9 | 176.0 | 194.5 | 211.2 | 229.7 |
PS | 14.2 | 17.92 | 19.8 | 21.5 | 23.4 |
最高速度に大きく関係するのは最高出力ですが、ギヤ比とタイヤ径、そしてエンジン回転数を抜きにして語ることはできません。
エンジンのレブリミット(何回転まで回るのか)については、エンジンの仕様や制御方法によりけりで多種多様すぎますので、ここでは単純に最高出力が発生する9500rpmを基準として、1割増の10500rpm、2割増の11400rpm、3割増の12400rpmまで回ったとしたら、このくらいの速度になりますよ、という一覧表を作ってみました。(7500rpmは最大トルク発生回転数)
※エンジンのレブリミットは最高出力が発生する9500rpmより若干高い回転数に設定されますが、エンジンの出力は9500rpmをピークとして以降は低下する一方ですので、9500rpm以降も加速できるかどうかは未知数です。実際の最高速は走行抵抗と出力が釣り合った時点の速度になります。
オレンジ色に着色してある欄には、それぞれの回転数での平均ピストン速度を記してあります。この速度はエンジンの回転数上限を左右する要素のひとつとされ、9500rpmでの17.92m/sから回転数が増すごとに速くなり、12400rpmでは23.4m/sになります。
巡航時によくある速度での回転数
ギヤ | 40kmh | 60kmh | 80kmh | 100kmh | 120kmh |
---|---|---|---|---|---|
1速 | 6800 | 10200 | 13600 | 17000 | 20400 |
2速 | 4360 | 6540 | 8720 | 10890 | 13070 |
3速 | 3310 | 4970 | 6620 | 8280 | 9940 |
4速 | 2690 | 4040 | 5380 | 6730 | 8070 |
5速 | 2380 | 3570 | 4760 | 5950 | 7140 |
6速 | 2160 | 3240 | 4320 | 5400 | 6480 |
ここでは1速から6速までのそれぞれのギヤごとに、それぞれの速度でどのくらいエンジンが回っているのかを調べてみます。
6速ギヤの場合、40km/hでは2160rpm、60km/hでは3240rpm、高速道路によくある80km/hでは4320rpm、100km/hでは5400rpm、制限速度が120km/hになると6480rpmまで回す必要が生じます。
ちなみに、エンジン出力と回転数、ギヤ比が深く関係するので到達できる車種は限られますが、スピードリミッターが働く180km/hでは9720rpm、さらに車種は限られますが300km/hでは16190rpmまで回ります。
7500rpmと9500rpmの駆動力とトルクウェイトレシオ
最大トルク3.8kgm|車両重量192kg | |||
---|---|---|---|
ギヤ | 7500rpm 駆動力とTWR | 9500rpm 駆動力とTWR | 差分 |
1速 | 243.5kgm [0.79kg/kgm] | 224.3kgm [0.86kg/kgm] | -19.2 [+0.07] |
2速 | 156.1kgm [1.23kg/kgm] | 143.7kgm [1.34kg/kgm] | -12.4 [+0.11] |
3速 | 118.6kgm [1.62kg/kgm] | 109.3kgm [1.76kg/kgm] | -9.3 [+0.14] |
4速 | 96.4kgm [1.99kg/kgm] | 88.8kgm [2.16kg/kgm] | -7.6 [+0.17] |
5速 | 85.3kgm [2.25kg/kgm] | 78.5kgm [2.45kg/kgm] | -6.8 [+0.20] |
6速 | 77.3kgm [2.48kg/kgm] | 71.2kgm [2.70kg/kgm] | -6.1 [+0.22] |
PWR | 4.82kg/PS | 4.174kg/PS | -0.65 |
エンジンから発生する最大トルク3.8kgmは、ギヤを介して減速する(回転数を落とす)ことで、まるで倍々ゲームのごとく増大して最終的には元の何十倍、何百倍にもなります。
たとえば1速ギヤの場合、エンジンの軸トルク3.8kgmが1速ギヤを介して3.285倍に、さらに一次減速比と二次減速比で6.087倍に、そしてこれをタイヤの半径で割ると最終的な駆動力は243.5kgmになるという寸法です。
このエンジンは9500rpmで46PSを発生しますから、その時点での軸トルクは3.5kgm、同じ要領で計算すると最終的には224.3kgmになります。
基本的にはこの数値が大きいほど地面を蹴って進もうとする力が強く、7500rpmと9500rpmとの落差が小さいほど高回転域でのトルクの低下が少ない、つまり加速感が持続すると言えるかもしれません。
[]内の数値は、最大トルク発生時(3.8kgm/7500rpm)での各ギヤの駆動力を、車両重量の192kgで割ったトルクウェイトレシオで、最小は1速ギヤの0.79kg/kgmとなっています。
この0.79kg/kgmという数値はバイクの中では平均的なスペックですが、その気になれば思わず息を呑むほどの痛快なスタートダッシュを決めることができそうです。
ちなみに、自動車のサイトで集計した1速ギヤTWRの平均が1.60kg/kgmでしたので、(少なくとも1速ギヤが吹け切るまでは)並大抵の自動車では太刀打ちできないものと思われます。
前後スプロケットと加速力および最高速の熱烈な関係
ここからは部品があるかどうか、装着できるかどうかは度外視して、前後のスプロケットの歯数(丁数とも)を変更することで時速100kmでの回転数や、最も高いギヤ比における9500rpmでの速度、1速ギヤでの最大駆動力がどのように変化するかを調べてみます。
フロントスプロケット(ドライブスプロケット)を変更
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NC47型CBR400Rのフロントスプロケットは15丁ですので、これを3丁少ない12丁から3丁多い18丁まで変化させてみました。
ノーマルの15丁では時速100kmでの回転数が5400rpm、9500rpmでの速度が176.0km/h、最大駆動力が243.5kgmとなっています。
そこから12丁に減らすとギヤ比は低くなる方向に傾き、回転数が6750rpmまで上昇、速度は140.8km/hまで低下、最大駆動力は304.4kgmに向上し、最高速と引き換えに加速力を手に入れる格好になります。
3丁増やすとギヤ比は高くなる方向に傾き、回転数は4500rpmに低下、速度は211.2km/hに上昇、最大駆動力は203.0kgmに下落し、今度は加速力と引き換えに最高速を手に入れる格好になります。
この場合、巡航回転数が下がり、最高速も大きくなり、燃費も向上しそうな点がいかにも魅力的ではありますが、うっかりエンジン特性や出力に見合わぬ高いギヤ比に設定してしまうと、特にゼロ発進時においてウンともスンとも言わない激烈な鈍足マシンに豹変しかねません。
リヤスプロケット(ドリブンスプロケット)を変更
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続いてリヤスプロケットの歯数を純正の45丁から変更した場合を見てみます。
リヤはフロントとは逆で、歯数を減らすことでギヤ比が高くなって最高速が伸び、増やすことでギヤ比が低くなって加速力が増していきます。
また、リヤはもともとの歯数が多いのでフロントの1丁ほどのインパクトはなく、1丁減らしたから、増やしたからといってもびっくりするほどには変わりません。
フロントを14丁にして加速重視か、16丁にして最高速重視かの大まかな方向性を決め、リヤの増減で微調整をする、あるいはフロントは15丁のままリヤの増減で味付けを変えるなど、スプロケット選びは考えるだけでもワクワクしてきて希望いっぱい夢いっぱいです。
※スプロケットの歯数を変更すると、車種によってはスピードメーターに誤差を生じる場合があります。メーター誤差が過大になると車検に合格しませんし、特に最高速が伸びる方向へのスプロケ交換においては、思わぬスピード違反切符に涙を流すことにも繋がりますのでご注意ください。
NC47型CBR400R 2016/02モデルの各種スペック詳細ページ | |||
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主要諸元 主要諸元と年間の維持費、燃費と航続距離 | エンジン エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ | タイヤ タイヤサイズ変更と加速力&最高速の変化 | 通知表 さまざまな性能評価の数値と偏差値&順位 |
【ギヤ比編】同車名または同型式の車種一覧 | |||
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CBR400R NC56型 (2019/01) | 46PS 3.9kgm 28.3km/L 73.2万円 | NC56E 直列2 399cc [6MT] | |
400X NC47型 (2013/06) | 46PS 3.8kgm 28.2km/L 73.2万円 | NC47E 直列2 399cc [6MT] | |
CB400F NC47型 (2013/05) | 46PS 3.8kgm 28.3km/L 73.2万円 | NC47E 直列2 399cc [6MT] |