CB1100 EX type-II | SC65E型1140cc直列4気筒エンジンの性能とPWR [90PS/9.3kgm 2017年]

このページでは、CB1100 [EX type-II 2017/01]が搭載しているSC65E型の直列4気筒1140ccエンジンの諸元と出力、体重とパワーウェイトレシオの関係をシミュレーションしています。

SC65E型エンジンの各種諸元と性能曲線図

ホンダ [CB1100]
SC65型 1140cc [90PS/9.3kgm]
SC65E型エンジンの簡易性能曲線図
SC65E型エンジンの簡易性能曲線図
エンジン種類
排気量
直列4気筒
1140cc
最高出力90PS
5500rpm馬力71.4PS
最大トルク9.3kgm
7500rpmトルク8.6kgm
リッター換算馬力78.91PS/L
リッター換算トルク8.15kgm/L
単気筒容積285.1cc
1気筒あたり馬力22.5PS
1気筒あたりトルク2.3kgm
平均ピストン速度16.80m/s
Bore/Stroke比0.914
1000cc超の1L換算馬力ランキング
1000cc超の1L換算トルクランキング

ここからはSC65E型エンジンの諸元から見えてくる出力特性を調べてみます。

上の図は最高出力が発生する回転数でのトルクと最大トルク、最大トルクが発生する回転数での馬力と最高出力とを線で繋いで折れ線グラフにしただけの簡易的なエンジン性能曲線図です。

これでは中間域の具合や7500rpm以降の馬力、トルクの落ち込み加減を知ることはできませんが、5500rpmでの最大トルク発生後、回転が高まるにつれてトルクが極端に落ちるのか、それともなだらかに下降するのかを知るくらいには使えるかもしれません。

エンジンのパワーバンドを最大トルクの5500rpmから最高出力の7500rpmまでの2000rpm(比率では26.7%)とすると、どちらかというと広めのパワーバンドで扱いやすい傾向にありそうな雰囲気です。

パワーの出方としては、最大トルク9.3kgmを生じる5500rpmでは、最高出力の79.3%となる71.4PSを、最高出力90PSを生じる7500rpmでは、最大トルクの92.5%となる8.6kgmの出力を得られます。

排気量1リットルあたりの出力は馬力が90PS/1.14Lで78.91PS/L、トルクが9.3kgm/1.14Lで8.15kgm/Lとなっています。これは二輪車に搭載されるエンジンの出力としてはやや心もとない部類ですが、その反面で日常ユースで扱いやすさが光るエンジンだと言えそうです。

ちなみに、直列4気筒1140ccエンジンの単気筒容積は285.1ccで、この排気量を持った各気筒それぞれが22.5PS、2.3kgmを発生させています。

最高出力が高い 直列・並列4気筒エンジンのバイク
排気量に関係なく、直列4気筒エンジン搭載のバイクを、最高出力(馬力)が大きいものから順番に並べたランキングです。
最高出力が高い unltdクラスのバイク
排気量が1000cc超の範囲にあるバイクを、最高出力(馬力)が大きいものから順番に並べたランキングです。
最高回転数が高い unltdクラスのバイク
排気量が1000cc超の範囲にあるバイクを、最高回転数(最高出力が発生する回転数)が高いものから順番に並べたランキングです。

ストローク長が67.2mmであるSC65E型エンジンの場合、平均ピストンスピードは7500rpmのとき16.80m/sで、これは二輪車のエンジンとしては一般的な速度の部類です。また上限を20.0m/sとしたときの最高回転数は8930rpmになります。

1000cc超の平均ピストンスピード ランキング

SC65E型エンジンのボアは73.5mmですので、エンジンの特性を大まかに決定づけるボアストローク比は0.914のショートストローク型(ストローク量がボア径より小さい)となり、排気量と気筒数が同一のロングストローク型に比べて、高回転域のキレが持ち味であるとされます。


ボアアップによる排気量増と圧縮比

ボア排気量圧縮比B/S比
73.5mm1140.5cc
-
9.50.914
74.0mm1156.0cc
[+15.5cc]
9.60.908
74.5mm1171.7cc
[+31.2cc]
9.70.902
75.0mm1187.5cc
[+47.0cc]
9.90.896
75.5mm1203.4cc
[+62.9cc]
10.00.890
76.0mm1219.4cc
[+78.9cc]
10.10.884
76.5mm1235.5cc
[+95.0cc]
10.20.878

エンジンの排気量はボアとストローク、気筒数によって決まり、圧縮比は排気量と燃焼室容積によって決まります。

ここでは実際に可能かどうかは別として、純正ピストンの73.5mmから+0.5mm刻みで+3.0mmまでのオーバーサイズピストンを組むと、排気量がノーマルの1140.5ccからどのように変化するかを調べてみました。

これを見るに、ピストン径が0.5mm大きくなると排気量が約15.5ccずつ大きくなり、+3.0mmの76.5mmまでボアアップすると1235.5ccまで拡大(ノーマル比+8.3%)されます。

続いて燃焼室容積が33.5ccのまま変化しないと仮定したとき、ピストン径が+0.5mm大きくなるごとに圧縮比が9.5から約0.13ずつ高まっていき、同時にノッキングのリスクも高まっていきます。

1000cc超の圧縮比が高いバイク ランキング

ストローク長が67.2mmのままボアを広げていくと、ボアストローク比(B/S比)は0.914から次第に小さくなっていき、さらにショートストローク型の特性が強まって、高回転域で真価を発揮しやすい傾向になります。

※ナンバー付き車両でボアアップおよびストロークアップにより排気量を増大させた場合は、改造申請をして認可を受ける必要があります。また、せっかく排気量を増大させても、対応する免許を未取得であれば公道で乗ることができなくなりますのでご注意ください。


体重とパワーウェイトレシオのアヤシイ関係

PWR 2.833kg/PS | 161位/全916件
体重PWR増加
体重40kg3.278kg/PS+0.445kg
体重45kg3.333kg/PS+0.500kg
体重50kg3.389kg/PS+0.556kg
体重55kg3.444kg/PS+0.611kg
体重60kg3.500kg/PS+0.667kg
体重65kg3.556kg/PS+0.723kg
体重70kg3.611kg/PS+0.778kg
体重75kg3.667kg/PS+0.834kg
体重80kg3.722kg/PS+0.889kg
体重90kg3.833kg/PS+1.000kg
体重100kg3.944kg/PS+1.111kg
1000cc超のパワーウェイトレシオ

さて、自動車と同じくバイクにおいてもパワーウェイトレシオは速さの指標としてよく使われています。

自動車ではもともとの車重が重いので、人間が1人2人乗ったところで目が飛び出るほどには変わりませんが、自動車に比べて車重が軽く、最高出力も小さめなバイクとなると話は別です。

最高出力が90PSで車両重量が255kgであるCB1100の場合、バイク単体では2.833kg/PSですが、たとえば車両総重量を決める際の基準である体重55kgの人が乗ると3.444kg/PS(+0.611kg)に、100kgの人では3.944kg/PS(+1.111kg)にまで悪化してしまいます。

同好の士と仲睦まじくサーキット走行しているとき、前に出てやろうと愛馬にムチを入れても埒が明かない。こんなときは「同じバイクのはずなのにどうも遅い…壊れてるんじゃあ…」などとバイクのせいにしたくなりますが、ちょっとお腹周りを眺めて見るとその答えが見つかりそうです。

PWRの優劣が速さの絶対的な指標ではありませんが、自動車のサイトで調べたパワーウェイトレシオの平均が9.52kg/PSでしたので、体重55kgの人が乗車した場合であっても自動車の平均を遥かに下回ります。ごく一部の限られたスポーツカーを除けば、まず負けることはなさそうです。


SC65型CB1100 EX type-II 2017/01モデルの各種スペック詳細ページ

主要諸元
主要諸元と年間の維持費、燃費と航続距離

ギヤ比
ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速

タイヤ
タイヤサイズ変更と加速力&最高速の変化

通知表
さまざまな性能評価の数値と偏差値&順位
【エンジン編】同車名または同型式の車種一覧
CB1100
SC65型
(2017/01)
90PS
9.3kgm
18.9km/L
133.8万円
CB1100
[RS]
SC65型
(2017/01)
90PS
9.3kgm
18.9km/L
133.8万円
CB1100
[EX]
SC65型
(2014/02)
90PS
9.3kgm
18.6km/L
133.8万円
CB1100
SC65型
(2014/02)
88PS
9.5kgm
18.2km/L
133.8万円