バリオス | 6MTのギヤ比と加速・最高速 [176km/h ZR250A型 1996年]

このページでは、バリオス [1996/03モデル]が搭載している6MTのギヤ比(歯車比・減速比)と駆動力、エンジン回転数と最高速(トップスピード)との関係をシミュレーションしています。

ギヤ比(歯車比・減速比)と加速と最高速のステキな関係

カワサキ [バリオス]
ZR250A型 249cc [40PS/2.4kgm]
純正ギヤの繋がりイメージ
ギヤギヤ比Shift-up
回転数
100kmh
回転数
15000rpm
での速度
[速度差]
1速2.600
[29.333]
-2478060.5
[ - ]
2速1.789
[20.183]
103201705088.0
[+27.5]
3速1.409
[15.896]
1182013430111.7
[+23.7]
4速1.160
[13.087]
1235011060135.7
[+24.0]
5速1.000
[11.282]
129309530157.4
[+21.7]
6速0.892
[10.064]
133808500176.4
[+19.0]
Fin11.282タイヤ外径628mm
レシオカバレッジ2.915

さて、ZR250A型バリオスの変速機にはレシオカバレッジ2.915という、加速の力強さと最高速の伸びのバランス加減がほどよい6MTが採用されています。

これを速度の面から見てみると、1速ギヤ(2.600)の最高速60.5km/hから、最も高い6速ギヤ(0.892)の最高速176.4km/hまでの速度間(速度差は115.9km/h)を、4段のギヤで刻んで速度を上乗せしていく格好になります。

一覧表のギヤ比欄の下にある[]で囲まれた数値は、それぞれのギヤ比と一次減速比3.291および二次減速比3.428を掛けた総減速比を表記しています。

また「Shift-up回転数」は、たとえば1速ギヤで15000rpmまで回して2速ギヤにシフトアップした際に、1速ギヤと2速ギヤのステップ比(0.688)から考えると15000rpmから10320rpmまで落ちますよ、というものです。

ステップ比が大きくてシフトアップ後に回転が落ちすぎてしまい、パワーバンドを大きく外すような場合には、15000rpmより上まで回したほうが加速の雰囲気が良くなるでしょうし、逆の場合は早め早めのシフトアップが結果的に功を奏す、かもしれません。

最高出力が発生する15000rpmにおいて、最も高い6速ギヤのギヤ比0.892での速度は176.4km/h、時速100kmでの回転数は8500rpmになります。

176.4km/hという速度はその気になれば免許証が何枚あっても、命がいくつあっても足りないくらいの速度ですので、バイクとしては高速道路を走るのに不足はなくとも、人間のほうにリミッターをかけるタフな精神力が必要になりそうです。

また、最高出力が発生する回転数の半分を少し上回るくらいの回転数で時速100kmが出るので、高速道路では「もう1段上のギヤがあったらなあ…」と思うことがあるかもしれません。

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巡航時の回転数を比較的簡単に下げる方法としては、タイヤの外径を大きくする、またはフロントスプロケットの歯数を14丁から増やす、もしくはリヤスプロケットの歯数を48丁より減らすという方法があります。


レブリミットと最高速|15000rpm以降の速度


10000
rpm
15000
rpm
16500
rpm
18000
rpm
19500
rpm
1速40.460.566.672.678.7
2速58.788.096.8105.6114.4
3速74.5111.7122.9134.0145.2
4速90.5135.7149.2162.8176.4
5速104.9157.4173.1188.9204.6
6速117.6176.4194.1211.7229.4
PS11.016.5518.219.921.5

最高速度に大きく関係するのは最高出力ですが、ギヤ比とタイヤ径、そしてエンジン回転数を抜きにして語ることはできません。

エンジンのレブリミット(何回転まで回るのか)については、エンジンの仕様や制御方法によりけりで多種多様すぎますので、ここでは単純に最高出力が発生する15000rpmを基準として、1割増の16500rpm、2割増の18000rpm、3割増の19500rpmまで回ったとしたら、このくらいの速度になりますよ、という一覧表を作ってみました。(10000rpmは最大トルク発生回転数)

※エンジンのレブリミットは最高出力が発生する15000rpmより若干高い回転数に設定されますが、エンジンの出力は15000rpmをピークとして以降は低下する一方ですので、15000rpm以降も加速できるかどうかは未知数です。実際の最高速は走行抵抗と出力が釣り合った時点の速度になります。

オレンジ色に着色してある欄には、それぞれの回転数での平均ピストン速度を記してあります。この速度はエンジンの回転数上限を左右する要素のひとつとされ、15000rpmでの16.55m/sから回転数が増すごとに速くなり、19500rpmでは21.5m/sになります。


巡航時によくある速度での回転数

ギヤ40kmh60kmh80kmh100kmh120kmh
1速991014870198202478029740
2速682010230136401705020460
3速53708060107401343016120
4速4420663088401106013270
5速381057207620953011440
6速340051006800850010200

ここでは1速から6速までのそれぞれのギヤごとに、それぞれの速度でどのくらいエンジンが回っているのかを調べてみます。

6速ギヤの場合、40km/hでは3400rpm、60km/hでは5100rpm、高速道路によくある80km/hでは6800rpm、100km/hでは8500rpm、制限速度が120km/hになると10200rpmまで回す必要が生じます。

ちなみに、エンジン出力と回転数、ギヤ比が深く関係するので到達できる車種は限られますが、スピードリミッターが働く180km/hでは15300rpm、さらに車種は限られますが300km/hでは25500rpmまで回ります。


10000rpmと15000rpmの駆動力とトルクウェイトレシオ

最大トルク2.4kgm|車両重量163kg
ギヤ10000rpm
駆動力とTWR
15000rpm
駆動力とTWR
差分
1速224.2kgm
[0.73kg/kgm]
177.5kgm
[0.92kg/kgm]
-46.7
[+0.19]
2速154.3kgm
[1.06kg/kgm]
122.1kgm
[1.33kg/kgm]
-32.2
[+0.27]
3速121.5kgm
[1.34kg/kgm]
96.2kgm
[1.69kg/kgm]
-25.3
[+0.35]
4速100.0kgm
[1.63kg/kgm]
79.2kgm
[2.06kg/kgm]
-20.8
[+0.43]
5速86.2kgm
[1.89kg/kgm]
68.3kgm
[2.39kg/kgm]
-17.9
[+0.50]
6速76.9kgm
[2.12kg/kgm]
60.9kgm
[2.68kg/kgm]
-16.0
[+0.56]
PWR4.87kg/PS4.075kg/PS-0.79

エンジンから発生する最大トルク2.4kgmは、ギヤを介して減速する(回転数を落とす)ことで、まるで倍々ゲームのごとく増大して最終的には元の何十倍、何百倍にもなります。

たとえば1速ギヤの場合、エンジンの軸トルク2.4kgmが1速ギヤを介して2.600倍に、さらに一次減速比と二次減速比で11.282倍に、そしてこれをタイヤの半径で割ると最終的な駆動力は224.2kgmになるという寸法です。

このエンジンは15000rpmで40PSを発生しますから、その時点での軸トルクは1.9kgm、同じ要領で計算すると最終的には177.5kgmになります。

基本的にはこの数値が大きいほど地面を蹴って進もうとする力が強く、10000rpmと15000rpmとの落差が小さいほど高回転域でのトルクの低下が少ない、つまり加速感が持続すると言えるかもしれません。

[]内の数値は、最大トルク発生時(2.4kgm/10000rpm)での各ギヤの駆動力を、車両重量の163kgで割ったトルクウェイトレシオで、最小は1速ギヤの0.73kg/kgmとなっています。

この0.73kg/kgmという数値はバイクの中では平均的なスペックですが、その気になれば思わず息を呑むほどの痛快なスタートダッシュを決めることができそうです。

ちなみに、自動車のサイトで集計した1速ギヤTWRの平均が1.60kg/kgmでしたので、(少なくとも1速ギヤが吹け切るまでは)並大抵の自動車では太刀打ちできないものと思われます。


前後スプロケットと加速力および最高速の熱烈な関係

ここからは部品があるかどうか、装着できるかどうかは度外視して、前後のスプロケットの歯数(丁数とも)を変更することで時速100kmでの回転数や、最も高いギヤ比における15000rpmでの速度、1速ギヤでの最大駆動力がどのように変化するかを調べてみます。

フロントスプロケット(ドライブスプロケット)を変更

フロントスプロケット(14丁)の歯数を変更

歯数

歯数
100kmh
回転数
[rpm]
15000rpm
最高速
[km/h]
1速最大
駆動力
[kgm]
11丁48丁10820138.6285.4
12丁9920151.2261.6
13丁9160163.8241.5
14丁8500176.4224.2
15丁7940189.0209.3
16丁7440201.6196.2
17丁7000214.2184.7
前スプロケ歯数と各ギヤの最高速度
ギヤ13丁14丁15丁16丁
1速56.260.564.869.2
2速81.788.094.2100.5
3速103.7111.7119.7127.6
4速126.0135.7145.3155.0
5速146.1157.4168.6179.8
6速163.8176.4189.0201.6

ZR250A型バリオスのフロントスプロケットは14丁ですので、これを3丁少ない11丁から3丁多い17丁まで変化させてみました。

ノーマルの14丁では時速100kmでの回転数が8500rpm、15000rpmでの速度が176.4km/h、最大駆動力が224.2kgmとなっています。

そこから11丁に減らすとギヤ比は低くなる方向に傾き、回転数が10820rpmまで上昇、速度は138.6km/hまで低下、最大駆動力は285.4kgmに向上し、最高速と引き換えに加速力を手に入れる格好になります。

3丁増やすとギヤ比は高くなる方向に傾き、回転数は7000rpmに低下、速度は214.2km/hに上昇、最大駆動力は184.7kgmに下落し、今度は加速力と引き換えに最高速を手に入れる格好になります。

この場合、巡航回転数が下がり、最高速も大きくなり、燃費も向上しそうな点がいかにも魅力的ではありますが、うっかりエンジン特性や出力に見合わぬ高いギヤ比に設定してしまうと、特にゼロ発進時においてウンともスンとも言わない激烈な鈍足マシンに豹変しかねません。


リヤスプロケット(ドリブンスプロケット)を変更

リヤスプロケット(48丁)の歯数を変更

歯数

歯数
100kmh
回転数
[rpm]
15000rpm
最高速
[km/h]
1速最大
駆動力
[kgm]
14丁45丁7970188.2210.2
46丁8150184.1214.9
47丁8330180.2219.6
48丁8500176.4224.2
49丁8680172.8228.9
50丁8860169.4233.5
51丁9030166.0238.3
後スプロケ歯数と各ギヤの最高速度
ギヤ46丁47丁48丁49丁50丁
1速63.161.860.559.358.1
2速91.889.888.086.284.5
3速116.5114.1111.7109.4107.2
4速141.5138.5135.7132.9130.2
5速164.2160.7157.4154.2151.1
6速184.1180.2176.4172.8169.4

続いてリヤスプロケットの歯数を純正の48丁から変更した場合を見てみます。

リヤはフロントとは逆で、歯数を減らすことでギヤ比が高くなって最高速が伸び、増やすことでギヤ比が低くなって加速力が増していきます。

また、リヤはもともとの歯数が多いのでフロントの1丁ほどのインパクトはなく、1丁減らしたから、増やしたからといってもびっくりするほどには変わりません。

フロントを13丁にして加速重視か、15丁にして最高速重視かの大まかな方向性を決め、リヤの増減で微調整をする、あるいはフロントは14丁のままリヤの増減で味付けを変えるなど、スプロケット選びは考えるだけでもワクワクしてきて希望いっぱい夢いっぱいです。

※スプロケットの歯数を変更すると、車種によってはスピードメーターに誤差を生じる場合があります。車検が必要ないからとお調子に乗って弄繰り回しておりますと、メーター誤差が原因でスピード違反切符を下賜されたり、思わぬ事故にも繋がりかねませんのでご注意ください。


ZR250A型バリオス 1996/03モデルの各種スペック詳細ページ

主要諸元
主要諸元と年間の維持費、燃費と航続距離

エンジン
エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ

タイヤ
タイヤサイズ変更と加速力&最高速の変化

通知表
さまざまな性能評価の数値と偏差値&順位
【ギヤ比編】同車名または同型式の車種一覧
GSX250FX
ZR250C型
(2002/02)
40PS
2.1kgm
39.0km/L
49.9万円
バリオスII
ZR250B型
(2007/03)
40PS
2.1kgm
39.0km/L
49.9万円
バリオスII
ZR250B型
(1997/02)
40PS
2.4kgm
42.0km/L
49.9万円
ZXR250
ZX250C型
(1996/03)
40PS
2.3kgm
50.5km/L
49.9万円